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FLASHで宝探し。

1985年に発表された「Flash」は個人的にはジェフベックの迷走期と思っています。Threre And Backでインストの集大成を行い、もうやることがなくなった感があるのに、自分としても画期的なことをやらないといけない(有り体なことはしたくない)と言うプレッシャーがあり、誰のアイデアかは分かりませんが、当時トレンドにあったダンスミュージックの雄、ナイルロジャースにプロデュースを頼んでみたということだと思います。
結果は惨憺たるもので、ファンの間でも駄作の誉れ高く(笑)ジェフベック自身も「忘れ去りたいアルバム」と言っているほどです。

しかし、そんなアルバムでも、よく聞くと味わうべきものがあります。
そんな、駄作の中のお宝拾いをしてみたいと思います。

Escape

<Escape>
この曲は、ヤンハマー作でグラミー賞ももらったので、駄作なはずはありません。なぜこれがFlashに入っているのかの方が謎なくらいです。
当時としても今聞いてもカッコ良いと共に不思議なメロディの曲です。
そして、なぜかジェフベックのソロパートがないんですよね。ジェフベックはメロディを弾いているくらいなので、ヤンハマーのアルバムに入っていそうな位です。しかし、合間合間にはいるギターがいかにもジェフベックらしいギターで、逆に言えば、ジェフベックがらしさを発揮できる曲だと言えます。
そして、さらに不思議なのが、アルバムでは分かりませんが、アウトテイク集のブートレグでは、ジェフベックのギンギンのソロパートがあるのです。なぜ、ソロパート有りのテイクを採用しなかったのか謎です。そのソロをジェフベックがどうしても気に入らなかったのかも知れません。

Ecstasy

音が埋め尽くされたダンスっぽい曲ばかりの中にあって、結構空間のあるジェフベック向きの曲です。
歌はジミー・ホールでしょうね。その歌の合いの手に入るギターがいかにもジェフベックっぽい間やテンポで、ころころと表情が変わる味のあるプレイです。残念なのがドラムマシーンだったりするところで、ジェフベックのギターの音も今ひとつ。この時期によく写真に写っていたジャクソンとかをレコーディングでも使ったのでしょうか。

You Know,We Know

後年にジョンマクラフリンのYou Know You Knowと言う曲をよく演奏していましたが、それとは違う曲です。タイトルは似ていますが。
この曲は、トニハイマスの作曲で、和音の世界観がトニーハイマスらしい独特の広がりのあるイメージで、その景色を背景にジェフベックののびのあるギターが鳴るという展開。特に後半、盛り上がっていて、突如風が吹いて急に開けた景色の場所に出るようなドラマチックな展開が素晴らしいです。1989年のGuitar Shopに入っている方が似合いそうな曲です。もろトニーハイマスの世界ですね。

Night After Night

ジェフベック自身が歌っているという最もやってはいけないことをやらされている曲(笑)ですが、この曲も結構空間のある曲で、ジェフベックらしいギターが聴けます。