モータウンへの憧れ。
バンドの後期、ジェフベックは憧れのモータウンの雄、スティービーワンダーとセッションをする機会を得ます。ちょうどその頃発売を控えていた二枚目のアルバム「Jeff beck Group」(通称オレンジ)でスティービーワンダーの曲「I Got have A Song」をカバーしていました。かねてからスティービーのファンだったジェフベックはそのセッションをとても楽しみにしていました。そして、スティービーとのセッションで、ジェフベックは「シングル盤用の曲を作って欲しい」と頼んでいました。
最初4曲出来たのですが、それはスティービーが自分のアルバム「Talking Book」に入れたいと言いだしそういう話になってしまいました。ジェフベックは、どうしてもシングル用の曲が必要で「とにかくシングル用の曲を頼む」と再度頼んでできたのが有名な「迷信」(Superstition)です。この曲は当初はジェフベックのために作った曲なのでした。
そして先にジェフベックグループとして「迷信」をレコーディングした(1972年5月)のですが大人の事情でお蔵入りになってしまいました。その後、さらに諸々の大人の事情が続き、スティービーとしてもモータウンから発売することになってしまいました。
ジェフベックのために作った「迷信」なのに、その年の11月、ジェフベックよりも先にスティービーの「迷信」が発売され大ヒットしてしまいます。
ジェフベックは、結局、第二期では「迷信」のリリースは果たせず、その次のバンドBeck Bogart & Appiceで1973年3月に「迷信」を発売(その年に初来日)。スティービーに遅れること4ヶ月です。
スティービーとのセッションでは「迷信」ともう1曲をもらっていて、それは、Blow By Blowに収録されているThelonius。しかし、実は第二期の後期のライブではこの2曲とも演奏されています。
ちなみにジェフベックは、これらの曲をもらったお礼に当時スティービーがレコーディングをしていた「Talking Book」の1曲「Lookin’ For Another Pure Love」でギターを弾いています。本当はもう1曲弾いたのですがそれはアルバムには収録されなかったようです。また、ジェフベックとのセッションで生まれてTalking Bookに収録されたのは「Maybe Your Baby」(ジェフベックは参加していない)。
スティビーワンダーとの「迷信」にまつわるもっと詳しい話を知りたい方はこちらを。
https://jeffbeckfan.net/thats-trivia/storyofsuperstition/