?> ロンウッド(Ron Wood) | ジェフベックの茶飲み話サイト。

ロンウッド(Ron Wood)

ロンウッドは、ストーンズのメンバーとして有名ですが、70年代からロックを聞いていた人には、フェイセズの印象の方が強いのではないでしょうか。ミックとキースのように、フェイセズには、ロッドとロニーがいました。日本では、脇役的な印象のロンウッドですが、実は英国ロックの影の参謀というか世話役的なところがあったようです。

ロンドンのロック会の世話役?

ロンウッドの自伝を読むと、ロンウッドのある時期の自宅の地下にはスタジオがあり、そこにはストーンズのメンバーの他様々な英国ロックのレジェンド達が出入りしていたようです。エリッククラプトンがドラッグで廃人同様になり、そこから復帰するときのリハーサルはそこで行われたそうです。近くに住んでいたミックやキースが曲作りに来たり、何かにつけ誰かが来てジャムをしていたそうです。その模様の多くはテープに録ってあるそうで、貴重な音源が山ほどありそうです。ソロアルバムの参加メンバーを見ると、まさにそんな交遊録を見るかのように多彩なメンバーが参加していて、地下のスタジオでのセッションをパッケージしたような楽しさがあります。

ジェフベックグループへの参加

ジェフベックとも、グループへの加入前から知りあいだったようです。ロニーはヤードバーズが出演するクラブなどによく通っていたそうで、ジェフベックの奏法に感心していたと書いています。ジェフベックがヤードバーズをやめたと聞いて、バンドの話を持ちかけたそうで、最初はジェフベックとロンウッドのツインギターでやろうという事になっていたそうです。ロッドとは、ジェフベックグループで知り合ったと言うことですね。
結果的にはジェフベックグループではベースをやることになったのですが、当時ロンウッドはベースを持っておらず(ギタリストでしたから)、知っている楽器店に「ちょっと貸して」って感じでベースを借りてツアーに出たそうです。で、そのままになっていると書いていました(笑)2023年5月のジェフベックトリビュートコンサートでは、Rice Puddingという曲で久しぶりに、当時と同じようにベースを弾いていました(それが件のベースかどうかは分からない)がMCでそのことを話していました。

フェイセズからストーンズへ

ジェフベックグループがマネジメントやなんかの問題で瓦解していき、そこで仲良くなったロッドスチュワートと2人がスモールフェイセズに加入するカタチでフェイセズが誕生。ここで晴れてギタリスト、ロンウッドとして活動し始めます。ストーンズと似ていますが、ストーンズよりもっとポップで陽気なロックンロールバンドというイメージでした。ハスキーボイスのロッドのボーカルは、なんといってもカッコよく、ロックボーカルのシンボル的存在でもあったと思います。日本の音楽界でも西城秀樹や矢沢永吉とか、ロッドのマイクスタンドを使ったパフォーマンスに影響を受けた人は多いと思います。
ロンウッドのギターは、どこか引きずったような独特のグルーブで、これもフェイセズの個性になっていました。フェイセズもやがてロッドのソロ活動や何かで瓦解していき、同時に、ロンウッドはミックテイラーの後釜としてストーンズに加入します。

ストーンズのメンバーとして

ロンウッドがストーンズに加入する話は、当時は、「へぇ〜」と思ったのですが、先にも書いたように、ロンドンの音楽界では顔利きだったロンウッドは、ミックやキースとも古くから親しかったようで、本人達には特に違和感はなかったのでしょう。加入までにはサポート的な立場からオーディションがあったりいろいろあったようですが、最終的には「ウチに入りなよ」くらいの感じだったかも知れません。ジェフベックが推薦したという話もあります(ジェフベックは、自身もその際のオーディションにも呼ばれて参加したが、退屈すぎて帰ってきたと言っている)。キャラクター的にもあってますしね。

パーソナリティ

性格は大らかでフレンドリーだそうで、だからロンドンの音楽界の世話役的な感じだったのでしょう。2004年のジェフベックの誕生日コンサートにもゲストとしてギターを持って出てきたのですが、ロクに弾かずに誕生日のお祝いのメッセージだけ言って引っ込んでいきました(笑)2023年のトリビュートコンサートの時もそんな調子でした。
スコッティームーアのアルバムに、ジェフベックと共に参加している曲がありますが、そこでも同じような調子でロクに弾いていません(笑)ロンウッドと言えば絵画が有名で、自身のアルバムジャケットを描いたり個展なども開催しています。お兄さんがグラフィックのアーチストだそうですね。そういう感性からか、フェイセズ時代からゼマティスのギター愛用者として有名でした。ゼマティスはギーター作家で非常に工芸的なデザインのギターを作っています。

ロンウッドの結婚式に英国ロックのレジェンドが集まった様子が雑誌に紹介されていました。ジェフベックが真ん中へんに写っていますが、このジャケットはアルバム「Flash」のジャケットで着ているヤツですね。

I’ve Got My Own Album to Do
色んなタイプのロックンロールが詰まっているという感じの曲をいろんな人とやっているという感じで、まさに地下のセッションをパッケージしたようなアルバム。2曲目のバラードはジョージハリスンとの競作だそうですが、とても美しいバラード。最後のインストなどは、まさに地下のジャムセッションのムード。
ストーンズ加入後に発表したソロアルバム。1曲目からご機嫌なピアノから始まってロックロール好きにはウキウキします。