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Simon Phillips(サイモン・フィリップス)

永遠のドラム少年、サイモン君。
サイモン・フィリップス ジェフベックのファンには、言わずと知れた凄腕ドラマー。 この人のドラミングは、正確無比、タイトにずんずん進みながら、ゴムまりのように弾む独特のグルーブがあり、それがベックの素っ頓狂なギターと良く合っている感じがします。特にこの人のシャッフルは本当にノリがいい。リズムを聴いているだけでウキウキワクワク(ファンシーな表現ですが)してきます。ジェフベックのファンの中でも一番人気なんじゃないでしょうか。
ドラマーとしては、個性的というよりは、どの分野でも高得点を取るかなり優等生的なドラマーという感じだと思いますが、無個性かといえば、そんなことはない。先に書いた独特のグルーブや独特のフレージングなどを持っています。癖がないのに味がある。ま、俳優で言えば、橋爪功みたいと言えばいいのか?・・・で、どんな相手にも最低限合ってしまう(合わせてしまう?)というすごさがあります。とにかく、ウマイ。優等生というとどこかの国のドラマーのようにうまいだけで味もくそもない感じがしますが、しっかり個性も兼ね備えているところが、世界の超一流たる所以ですね。

かなり若い頃から、活躍していて、デビューはイーノも参加していた801ライブの頃だと思いますが、当時18歳かそこらです。それでもうツインバスどかどかで、細かいこともやっていました。
この人は、両手両足が左右同じようにたたけるというドラマーで、ハイハットを左手できざみながら、右手でスネアをたたく。つまり手が交差しないので、より合理的に叩けるというワケです。うまく理屈が通 っていますね。しかし、理屈は通っても実際そのように行かないのが世の常で、こういうドラマーは、凄腕ドラマーだけだと思います。レベル42のドラマーも確かそうだったですね。 他には、今はどうだか知らないのですが、ジェフベックとやっていた頃はバスドラムがノーミュートでしかもかなりピッチが高く、ドッジボールやバスケットボールを手でたたいた時のようなキンキンという音がしていて特徴的でした。
フレーズもバスドラムとしてだけではなく、タムタムの一環としてたたいているような感じもありました。小さいタムからズーっとロールを回してきて最後にバスドラまできてドカドカドカドカとやる感じです。バスドラでロールもやりますしね。

ジェフベックが、昔のインタビューで、「あいつが初めてツインキックのセットをもって現れたときにはぶっとんだ」と言っていましたが、こういった常軌を逸脱するようなドラミングに度肝を抜かれたという感じだったんじゃないかなと思ったりもします。ほかに、当時はオクタバンというタムタムを8音階にチューニングしたものやリズムマシーンのようなものを使って多彩な音を出していました。
ジェフベックと来日したときもオクタバン、使っていましたね。 それにこの人、ニコニコと実に楽しそうにしながら演奏するんです。ミックジャガーのTV中継でも写 っていましたが、結構童顔なので、太鼓の好きなボクがニコニコ叩いているという、実にいい感じです。ミックジャガーライブでは、結構長いドラムソロがあったのですが、ミックファンには「長い!」と不評だったようです。私は喜びましたが。

タイプとしては、ご本人はトニーウイリアムスのファンらしく最近トリビュート的なソロCDをつくったりしています。影響を受けたようなフレーズにも聞かれますが、根本的なグルーブはちょっと違うような気がしますけどね。日本で言えば、東原力哉氏(この人もドラムも超かっこいい!)が濃いトニーウイリアムス派ですが、それよりは薄い感じですね。 サイモンフィリップスの場合は、ビリーコブハムも少し入っている感じかな??? 他にもっと影響が伺える人がいるのかも知れませんが、あまりドラマーを知らないので、悪しからず。

活躍の場としては、2001年春現在では、TOTOの正式メンバーとして活動していますが、超売れっ子セッションドラマーで、本当にいろんな人のアルバムに参加しており、私もすべては知りません。 私の知る範囲で、かっこいいドラミングが聞けるのは、やはりジェフベックのが一番だと思います。
ドラマーの人で、ジェフベックはどうでもいいけどドラムがいいから「THERE AND BACK」を買ったという人もいます。他には、TOTOはもちろん、スティーブルカサー、スタンリークラーク、ゲイリ-ムーア、マイケルシェンカー、ジューダスプリースト、バニーマースデン、ゲイリーボイル(ゲイリームーアも参加)、トレバーラビン、ザフー、ジャクブルース、フィルマンザネラ、ミックジャガー、ドリームシアター関連等々まだまだあると思います。 サイモン自身のソロアルバムは、以外と面白くないんですね、これが。よく聞くとすごいことをやっていたりするんですが、迫ってこないんです。やっぱりジェフベックの「THERE AND BACK」が最高の出来のような気がします。

ジェフベックとはスタンリークラークと一緒の時が初めてだと思います。その時はまだバックメンバーに徹していましたが、「THRE AND BACK」ツアーで来日したときは、もう完全にベックをサポート&リードしている感じましました。ステージの上で繰り広げられるベックとのバトルというか、息のあったジャムは、鳥肌もので、なんか、高次元で音楽をやっているという感じがしました。血ですね血、DNAというか・・・。ベックの唐突なフレーズをサポートしながら、けしかけていったり、引き立てたり、その呼吸と合間に見せるウルトラフレーズ、さらにウィットに富んだドラムソロ、本当にたくさんの引き出しを持っている感じがします。
サイモンフィリップスがリズムを刻み出すだけで、ステージにゴムまりのようにビヨンビヨン弾んだ独特のグルーブが広がりますね。ジェフベックもかなり信頼を置いていたようで、1978年の来日からミックジャガーのソロに参加した1986年頃まで、ずっと起用していました。 彼はまた、TAMAのドラムを使っていたこともあって、楽器ショーなどに合わせてドラムクリニックなどで来日していたりしました。 今は、どうだかよく知りませんが。
2001.05.13

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「Candy Man」
Steve Lukather

スティーブルカサーの2nd。これはルカサーがかなりベックの影響を受けてつくったような感じのアルバムで、ルカサーというギタリストは私にとってあまり興味のわかないスタイルのギタリストなのですが(ファンの方すみませんm(_ _)m)、活動からすっごいギターが好きだというのが伝わってくるので好感を持ちます。インタビューなどでもなるほどということを言っていますしね(何だそれじゃ、興味あるんじゃないか:セルフツッコミ)。それで、これはいいロックアルバムだと思います。ジミヘンのカバーなどもあり、音色的にはジミヘンっぽいですが、特にメロディアスな曲での流麗なフレーズは、さすがという感じです。 ドラムの方は、全編カッコイイドラムが聴けますが、スペースブギーを意識したような変拍子の曲のが、最後にドラムソロみたいなのもあって最高にカッコイイです。このアルバムが縁で、TOTO加入となったんでしょうかね。

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「Rocks Pebles and Sand」
Stanley Clarke

おそらく1978年のジェフベックとのツアーが縁だと思いますが、翌年ライブアンダーザスカイでも一緒に来日しました。ライブアンダーザスカイでは、リターントゥフォーエバー的な曲もバッチリ決まっていました。このアルバムは、「School Days」よりさらにロック的なアルバムで、サイモンフィリップスの柔軟で多彩 なドラミングが聴けます。特にスタンリー独特の指をそろえてかき鳴らすようなベースのリフとダイナミックなロックドラムが聴き物です。

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「Back On The Street」
Gary Moore

シンリジー脱退前後の初ソロ。これもジェフベック的な曲も多く、全編サイモンフィリップスが、かっこいいドラムをたたいているんです(ただし、クレジットには書かれていないが、インタビューで、そのようなことを話していた)が、が、音色が非常に悪い。こもったような音で、シャープで切れ味の良いサイモンフィリップスのドラムが生きていないです。ゲイリームーアのギターも含めて内容がいいだけに実に惜しい。リマスターで、音をちゃんとさせて再発して欲しい。ひょっとして、私の持っている盤だけがそうなんでしょうか?このアルバム、ジャケット写 真は、いろんなのがでていますが、私はこれが一番好きです。
しかし、ゲイリームーアもなくなってしまったのですねえ。

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「Micael Shenker Band」
Micael Shenker

マイケルシェンカーの1st。これも全編サイモンフィリップスで、かっこいいハードロックドラムが聴けますが、マイケルシェンカーにはちょっと軽めかなという印象も受けます(音がそうなってしまたのかも)。しかし、4曲目のイントロなどは、鳥肌ものです。

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