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THE YARDBIRDS ON AIR Original BBC Recording

1)I AIN’T GOT YOU
2)FOR YOUR LOVE
3)I’M NOT TALKING
4)I WISH YOU WOOD
5)HEART OF SOUL
6)I’VE BEEN WRONG(AKA IAIN’T DOWN WRONG)
7)TOO MUCH MONKY BUSINESS
8)LOVE ME LIKE I LOVE YOU
9)I’M A MAN
10)EVILL HERTED YOU
11)STILL I’M SAD
12)HANG ON SLOOPY
13)SMOKESTACK LIGHTNING
14)MR.YOU’RE BETTER MAN THAN I
15)TRAIN KEPT A ROLLIN’
16)SHAPES OF THINGS
17)DUST MY BLUES
18)SCRACH MY BACK?
19)OVER UNDER THE SIDEWAYS DOWN
20)THE SUN IS SHINING
21)SHAPES OF THINGS(VER.2)
22)MOST LIKELY YOU’LL GO YOUR WAY
23)LITTLE GAMES
24)DRINKING MUDDY WATER
25)THINK ABOUT IT
26)GOOD NIGHT SWEET JOSEPHIN
27)MY BABY
※22~27)は、ジミーペイジ

<メンバー>
キース・レルフ (Keith Relf):ボーカル、ハープ
ジム・マッカーティ (Jim McCarty):ドラムス
ポール・サミュエル=スミス (Paul Samwell-Smith):ベース
クリス・ドレヤ (Chris Dreja):リズムギター、のちベース。
ジェフ・ベック (Jeff Beck):ギター
ジミー・ペイジ (Jimmy Page):ギター

ヤードバーズ時代のライブが良い音でいっぱい聴ける。

そもそもヤードバーズのアルバムというのは、正式なスタジオ盤自体がジェフベック時代の「ROGER’S ENGINENEER」(あるいは「THE YARDBIRDS」)、ジミーペイジ時代の「LITTLE GAMES」くらいしかなく、その他は編集モノ(「FOR YOUR LOVE」「HAVING A RAVE UP」等)ですが、それらさえ廃盤になってしまって手に入らない時代がありました。
私も高校時代に探し回りましたが、まったくなく、そんな時代にはGOLDEN EGGSなどが貴重でした。

その後、CDの時代を迎え輸入CDがはいるようになり、洋楽人口が増えるに従ってヤードバーズものがたくさん出てきました。そんなヤードバーズ、今更言うまでもありませんがクラプトン、ベック、ペイジというロックギターのパイオニアのうち3人(あとひとりはもちろんジミヘン)が在籍していたというロック史上極めて重要なバンドです。しかも、それぞれの時代にギタリストの個性が強く反映されているのが興味深いです。おまけにベックとペイジのツインリードなんてものまである(3曲ほど)おいしさの塊です。

しかし、絶頂期というのはベック時代で、クラプトンは初のヒット曲「FOR YOUR LOVE」の直後に脱退していますし、ペイジ時代はもう音楽的にも内部的にもガタついてきた時代で、そのためかペイジはヤードバーズでレッドツエッペリンのための実験をいろいろやっています。とはいいながらペイジ時代の「LITTLE GAMES」は画期的な内容のアルバムですが。

ヤードバーズの話は、雑誌「GOLD WAX」(2002年頃に廃刊)に10万倍くらい詳しく連載されていました。また、雑誌「レコードコレクターズ」1992.8月号がヤードバーズ特集。さて、この「ON AIR~~~」は、その一番いいときのベック時代のヤードバーズの才気あふれる演奏が聴けます。なんせ27曲。いっぱい聴けるのもうれしいです。ただ、一部は、BECKOLOGYにも収録。22)以降のギターはペイジでしょう。また、JEFF’S BOOGIEのないのが残念。しかし、つぶさに見ていくと興味深いことがいろいろあります。

この頃、ジェフベックのギターテクニックはすでに完成されている。

全体的にまず感じるのは、バンド自体の演奏能力の高さです。カッコイイ演奏です。1964頃ですから、日本ではまだエレキ自体が珍しくプロでさえ「チョーキング」が分からない状態だったと思います。

そんな時代ですが向こうではこんなことをやっていたんですね、先進国~~~! しかも、ジェフベックのギターテクニックは、ほとんど完成状態にあるように感じます。ピッキング、チョーキング、フィンガリング、カッティング、ミュート等々後年ロックギターテクニックの基本とされることは、完璧に身につけている。そういう感じです。18番のプリングオフによる3連(タララタララ)もバンバンやってますしね。そういえば、ヤードバーズ前後のブルースセッションを集めたアルバム(女性の顔の有名なやつです)の昔のライナーノーツには、この3連を「とうてい日本人にはマネできないテクニック・・・」などと書いてありました(できるって、練習すれば・・・)。そんな意識だったんですね。

音が歪んでいないので、ちょっと頼りない感じがしますが、逆に「歪んでないのに、これだけしっかり弾けている」と言えると思います。歪んでいるとごまかせるところあるしね。ギターは、エスクワイアかテレキャスターかと思います。

聴きどころは、いろいろあるんですがTRAIN KEPT A ROLLIN’でしょうか。スタジオ盤よりもっとロカビリーな感じ。THE SUN IS SHININGもベックのスライドブルースとして有名です(ただし、BECKOLOGYにも収録)。
なお、最後のペイジ時代の6曲もいいですよ。かなり進化したヤードバーズが聴けます。ベック時代との変化が興味深い。かなりサイケな感じになっています。

各曲紹介

1)I AIN’T GOT YOU
曲調としてはベック得意のパターンですが、スタジオ盤はクラプトンでした。バッキングがカッコイイ。エアロスミスもやってました。

2)FOR YOUR LOVE
こういう曲がヒットする時代だったんですね。そのままです。

3)I’M NOT TALKING
いまやったら流行りそうな曲です。ソロがベックらしい、カッコイイです。この時代にこのソロは驚きだったでしょう。

4)I WISH YOU WOOD
ハーモニカのかっこいい曲。ギターは普通。

5)HEART OF SOUL
グループサウンズみたいな曲です。確かヒット曲。このテーマフレーズをBBAのライブでショットガンの中で弾いています。

6)I’VE BEEN WRONG(AKA IAIN’T DOWN WRONG)
スライドを使ったサイドワーク。

7)TOO MUCH MONKY BUSINESS
出ました18番!連続3連。いかにも弾きそうな曲でやっぱり弾いたという感じ。ノリのいい曲。ちょこちょこ弾くパッセージフレーズもカッコイイ。

8)LOVE ME LIKE I LOVE YOU
ポップな曲。

9)I’M A MAN
ブルースのカバー。サイドギターでいろいろ聴かせてくれます。

10)EVILL HERTED YOU
ヤードバーズのヒット曲。やっぱりポップなのが受けるんですね。ここでも18番が出ます。スライドバーを使った間奏(決まりフレーズ)が結構いい。

11)STILL I’M SAD
時代を感じさせる曲。今ならまた受けるかも。確かこれもヒット曲。

12)HANG ON SLOOPY
これは確かマッコイズ(リックデリンジャーですね)のヒット曲。スタンリークラークも「ルイルイ」というタイトルでやっています。

13)SMOKESTACK LIGHTNING
ちょっとクラプトン的なフレーズ。意識してるんでしょうか。ギターは結構歪んでいます。

14)MR.YOU’RE BETTER MAN THAN I
これもヒット曲。これは、ファズですファズ(トーンベンダーというやつか)、エフェクターの先駆けです。

15)TRAIN KEPT A ROLLIN’
出た~!私はこれが好きだ~~~。リフがカッコイイ。ソロも分散を使っているのですが効果的!この頃からトーンコントロールを微妙に操作して表情をつけています。

16)SHAPES OF THINGS
ギターがかなりハードに鳴っています。歪み系(ファズか)で詰まったような音色がいい。

17)DUST MY BLUES
編集モノのアルバムでJEFF’S BLUESというタイトルで収録されている曲で、ボーカルもベックだ。ギターの音も歪んで、ベックらしい個性的なフレーズが聴けます。

18)SCRACH MY BACK?
ベックならではのウィットのあるミュートしたサイドギター(効果音?)が聴けます。

19)OVER UNDER THE SIDEWAYS DOWN
BBA Liveのジェフズブギーで、演奏されているフレーズはこの曲のテーマです。ファズを使ったギターが聴けます。

20)THE SUN IS SHINING
有名なベックのスライドギターブルース。この頃から強引なフレージングです。ほんとにオーソドックスなブルースも普通に演りませんね。まあ。これでも普通にやっている方かも。ボーカルもベック。ギターは聴かせますが、歌はもう3つです。

21)SHAPES OF THINGS(VER.2)
16)とアレンジが違うわけではありませんが、ギターがちょっとモダンになっています。