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第二期ジェフベックグループ 啓蒙投稿-番外編

スティービーワンダーとの交流

啓蒙投稿その2でスティービーワンダーとのセッションの件をご紹介しましたが、そのセッションでは、スティービーのアルバムにジェフベックが参加することと、ジェフベックのための曲をスティービーが作るという2つの目的がありました。前者の目的でレコーディングされたのが「Talking Book」に入っている「Lookin’ For Another Pure Love」と言う曲です。「Talking Book」でジェフベックが弾いていること自体は、高齢者ロックファン(笑)にもあまり知られていないのではないでしょうか。

この曲はスティービーワンダー独特のころころと転調していくのが心地よいというか自然に転がっていくという感じで、この歌の内容と相まってさらにイメージを広げてくれます。さっすが天才ですね。
歌のバックでメローなスライドギターを弾いていますが、途中でソロが始まります。スティービーワンダーが「Do、Jeff!」と煽ります。メローでいて素っ頓狂というか、あれ?そこに行くのという感じのメロディーで、途中で横道に隠れてまた出てくるみたいな(笑)、普通のギタリストではあり得ないソロです。後半の歌のバックでも、合ってるんだか外れてるんだか、オブリなのか効果音なのか分からないような(笑)ギターが聞こえます。

ギターは時期からするとストラトのはずなのですが、どうも違うように聞こえます。レスポールのシングルコイル的なハーフトーン。ひょっとしたら、この年の秋、BBA初期のライブで弾いていたクリーム色のレスポールスペシャルかもしれません(あくまで想像です)。

セッションの2つ目の目的であったジェフベックのためにスティービーが作った曲「迷信」は、残念な事に大人の事情で先にスティービーが発売して大ヒットしてしまいます。そして遅れること約4ヶ月、ベックボガート&アピスの曲として「迷信」がリリースされます。まるでジェフベックの方が二番煎じみたいになってしまいました。そのお詫びに(という話になっている)、3年後のBlow By Blowでは有名な「哀しみの恋人達」がプレゼントされます。

「哀しみの恋人達」は「泣きのギター」というもっぱらの評判ですが、私自身はそうは思わないんですね〜。ジェフベックのギターというのは「泣く」というほど湿っぽくない。ポールコゾフやゲイリームーア、サンタナなどの「泣き」は、演歌に通じる湿っぽさがありますが、ジェフベックの場合は、泣かずに耐えてる感じです(笑)
絞り上げないというか、細かく言うとチョーキングのタイミングやニュアンスが違うと言うか、あえて「泣き」に行かないというか。なので「哀しみの恋人達」=泣きのギターという論調には昔からずっと違和感を持って耐えていました(笑)

「哀しみの恋人達」はスティビーの元奥さんシリータライトも歌詞付きで発表しています。というか、元々こっちが先だったようですが。