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Jeff’s Boogie百花繚乱

ジェフベックを語るあるいは知る上で、絶対はずせない曲。かつてのギター少年たちが、技にしのぎを削ってコピー演奏した、ギターテクニシャンのひとつの目標としても存在した曲です。
ヤードバーズの時代から、ちゃんとしたセットリストとしてはBBA時代まで、若かりしジェフベックの成長時代に演奏されています。それ以降は、音楽スタイルが変わったせいもありますが、シャレでちょこっと演奏される以外には、聴かれなくなりました。
演奏された期間は、8年くらいですが、時期によって微妙に違います。
百花繚乱と微妙に違う様々な演奏を並べたかったのですが、特に第一期第二期のものなどは音の悪いものも多く、まあ聴けるものだけにしました。
聞き所は、コードの弾き方、じゃじゃ馬億万長者の弾き方、その他気分によって(本当に気分まかせで弾いているという感じ)都度盛り込まれるフレーズ等が違います。また、ヤードバーズバージョンは、おそらくモチーフになったであろうジェフベックが師と仰ぐレスポールと比較して聴くと面白いと思います。

■ヤードバーズのバージョン(2.1M/mp3)

BBAバージョンを最初に聴くと(オールドファンはたいていそうだと思いますが)、ブギーの枠組みがあってその中でアドリブを展開しているというような印象を持ってしまいますが、実はこのバージョンの時からトレードマークの3連、メリーさんの羊、チャイムなど基本アイテムが揃っています。この頃のライブ演奏が↓下にありますが、まだじゃじゃ馬億万長者は演奏されておらず、割と原型に近い形で演奏されています。この録音ではオーバーダブで独特の音になっています。

*参考:チャックベリーのギターブギー (2.1M/mp3)

ジェフズブギーがこの曲を元にしているのは疑いのないところです。メリーさんの羊もそのままですね。パクリといわれても仕方がない(笑)でも、この時代に格好いいですよね、この曲。チャックベリーは晩年、嫌われ者のヘンなオヤジになってしまったけどやっぱり天才ですね。
スティービーレインボーンがこの曲とジェフズブギーを弾く比べながら解説している音源がありました。>>

*参考:レスポール/ハウハイザムーン(2.4M/mp3)

ヤードバーズでの録音のかなりの部分のモチーフになっているのではないかと思うレスポール&メリーフォードの演奏。1950年代のヒット曲で、録音にもその時代性がでていますが、これは当時の最新技術。今では当たり前になっているマルチトラックやリピートエコーなどの技術は、このレスポール氏が開発したそうです。(もちろんその名の通りレスポールというギターも)
ジェフベックの演奏と比較してみると、リズムギターの刻み方やミュート奏法、リピートショートエコーなどの効果や、ギターの弾き方、フレージングなど、何だか全体的にサウンドがそっくりではないでしょうか。ちなみにイントロのフレーズは、ジェフベックのアルバムGuitar Shopのタイトル曲「Guitar Shop」の中程に登場しています。
こんなことからもジェフベックは、レスポールに多大な影響を受けているということが言えると思います。

■ヤードバーズのライブ(2.9M/mp3)

この頃のライブ音源は珍しいです。比較的↑上のスタジオ版に近いイメージで演奏されています。サイドギターがベックではないからかも知れません。各アドリブ部分のフレーズはかなりその場の気分で演奏されている感じです。後半は、フィンガーピッキングが多いです。BBAのライブでもこの曲はピックを持たずに指だけで弾いていたという目撃証言もあるのですが、この演奏も特に後半は指だけで弾いているような感じです。ひょっとしたら全編指かも。それにしてもまだロック黎明期のこの時期にかなり洗練されたギターだと思いませんか?基本的にはBBAの頃と変わらないですよね。カントリータッチのフィンガーピッキングも完璧ですね。

■第一期の演奏-1(7.4M/mp3)

最初にしゃべっているのはロッドのような気がしますが、第一期ジェフベックグループでまだピアノ(ニッキーホプキンス)が加入する前の演奏。
全体のスピードやコードの弾き方などもあって、まだヤードバーズの頃の雰囲気があります。
結構いい加減に弾いているところがあり、チュートハンパ(ギャグbyちゃらんぽらん)になっているフレーズなんかもあります。興味深いのは、じゃじゃ馬億万長者に行く前の雑弾きで、チェットアトキンス風やラグタイム風のフィンガリングがしっかり登場していることです。この頃もうすでにこういった奏法を自分の中に昇華していたのだと思います。じゃじゃ馬億万長者もここではまだゆっくり演奏されていますが、ここだけなのかこの時期はまだゆっくりなのかは分かりません。ただ、下の後期のものはもっとハイスピードです。

■第一期の演奏-2/ピアノ入り(4.1M/mp3)

これは音が悪いです。良く聞こえません。しかし、かなりハイスピードであることやピアノなんかも参加してちょっとヒョウキンに聞こえたりということは分かります。最後の方などは高速ですね。ヤードバーズのEvil Harted Youも少し演奏されています。この頃にすれば、ヤードバーズはほんの2,3年前のことです。

■BBA-1 (4.2M/mp3)

手持ちの第二期の音源にまともに聴けるものがなかったので、いきなりBBAですが、これはBBAになりたての頃の演奏。ギターはストラトです。スピードも速くスーパーテクニックが目白押しです。ちょこちょこミストーンがありますが、そんなことはジェフベックの場合あたりまえ。それだけ極限状態で演奏しているのだと思います。第1期の頃と比べるとコードの弾き方(ポジション等も)が違います。リズム隊が変わったからということもあるでしょうね。

■BBA-2 (4.5M/mp3)

上のBBAと同じような時期のものですが、かなり気分にまかせて異なった内容になっています。

■BBA-3 (3.9M/mp3)

オフィシャルに発売されている唯一のライブ演奏。ライブインジャパンのテイクです。比較的ミストーンや中途半端なフレーズも少なく、かなり良い内容なのではないでしょうか。ギターはレスポールです。
ノリにまかせて弾きまくっているという感じです。ライブでノリにまかせてこれだけ弾けるというのは、やはり相当な技術だと思います。

■BBA-4 (2.7M/mp3)

日本公演のちょっと後の演奏なので、似ています。これはメドレーの中の1曲として演奏されたのでちょっと短いです。この時のお客さんは残念でしたね。じゃじゃ馬億万長者が妙にきっちりと演奏されているのが礼儀正しい感じ(だからどうした?)。