このページを作った当時は、ライブの音源が入手しにくかったですが、今はブート屋を探すと大概手に入れることができると思います。Youtubeにあがっていることもあります。それでもないものもあるかも。(2019)
※ファイル形式が古くて聴けないモノがあるようです。順次改修します。
1.■Fancky Jam
第二期の演奏ですがどこかで聴いたような展開。そう「Blow By Blow」のセロニアスの原型です。この後、意外な曲へ展開。途中までですが。
実はセロニアスをスティービーにもらったのは、第二期ジェフベックグループの頃なのです。1972年5月N.Y.のエレクトリックレディスタジオで「Talking Book」をレコーディング中だったスティービーワンダーとのセッションで「迷信」とこの曲をもらったのでした。
2.■Got The Feeling
第二期ジェフベックグループ「RoughAndReady」の最初の曲。昔一時流行った4ch方式のLPですが、最後のギターソロが少し長く入っています。4chバージョンではギターソロが全然違うものもあります。
3.■I Can’t Give Back
第二期ジェフベックグループの4チャンネル盤「Jeff Beck Group」のA面4曲目。通常盤と最後の方のギターソロの出だしが全く違います。こっちの方が流れがナチュラルなので、これがオリジナルで、通常盤の方をミックスダウンで差し替えたって感じです。
4.■You Know What I Mean
アメリカのテレビ番組のソウルトレインにビリープレストンと一緒に出演したときのだと思いますが、ビリー・プレストンやバディ・マイルスなんかも加わって大変ファンキーでよろしゅうございます。この曲は、ワイヤード以降にもたくさん演奏されていますが、アルバムのようなゆったりしたファンクなやつは無く、どれもなんかハードです。その点、これはオリジナルに近くて好きです。Blow By Wiredというアルバム録音時のアウトテイクを集めたブートでは、アルバムの収録テイクよりベースがファンキーでこの演奏に近いノリです。
5.■Cat Moves
コージー・パウエルのTILTに入っている超カッコイイ曲です。これは、それ以前にスタンリー・クラークと一緒に来日したときのもので、聴けるブートレグも少ないです。
6.■She’s A Woman
「Blow By Blow」の2曲目ですが、これはBBCのTVにUPPとともに出演したときのもの。この番組では、ギターを始めエフェクターや奏法などを解説。最後にトーキングモジュレーターを説明し、おもむろにビニールホースを口にくわえ、デモ演奏がてら弾きだしたのがこの演奏です。1975年ですが、Blow By Blowツアーなどのものとはノリやアレンジが違います。よりファンキーな感じです。時期的には、「Blow By Blow」のちょっと前くらいなのでしょうか。(2023年現在Youtubeに鮮明な映像で上がっています)
7.■Give It To You
UPPのファーストアルバム「UPP」より。曲の後半ですが、このトーキングモジュレーターは、メチャクチャカッコイイ!! ベック自身のアルバムにもこんなにカッコイイのはないです。
そのそもジェフベックのトーキングモジュレーターのインスピレーションは「しゃべること」だそうで、1920年代にピアノでそれをやってるのがあり、それが子どもと対話しているのです。ですので、この演奏がベックのインスピレーションを最も具現化したものだと思います。
8.■Friendly Street
UPPのファーストアルバム「UPP」より。これもトーキングモジュレーターの名演です。
9.■Get Down In The Dirt
UPPのファーストアルバム「UPP」より。これもベック自身のアルバムでもなかなか聴けないクールなスライドギター。
10.■Jean Genie
デビットボウイのコンサート(ラジオショウ?)に飛び入りした時の一部。このスライドは、かなりベックです。(2023年に発売されたデビッドボウイの映画に収録されています)
11.■The World Is Wating For The Sunrise
ジェフベックではありませんが、師匠とも言えるレスポール(2009年没)のソロです。メリーフォードとのデュエットで大ヒット(’50年代)した曲のギターソロですが、これって音を歪ませたらジェフベックって感じです。プリングオフの3連やハンマリングオン&プリングオフを半音ずつ下がっていくのやら、ジェフベックの18番フレーズが目白押しです。音がペンペンなのにカッコイイです。
12.■Infatuation
犬猿の仲だったはず(単なる世間の噂だけらしい)のロッドスチュアートと何十年ぶりかに親交を交わし、ロッドはベックのアルバムで「People Get Ready」を歌い、ベックはロッドのアルバム「カムフラージュ」に参加しました。2曲やっていますが、これはそのうちの1曲Infatuationのギターソロ以降です。ファンキーなリズムに会わせて抜群にカッコイイロックギターが聴けます。そう、まさしくこれこそロックギター!このときは、最初ロッドのツアーにも同行していたそうですが、ロッドの曲が多すぎるのが不満(当たり前じゃんか。ロッドのツアーだもの)とかで、2回くらいで降りてしまったそうです。困ったやつだ。それなら最初から同行しなければいいのに。このときのライブがブートででています。2000.6.15
13.■Lookin’ For Another pure Love
第二期ジェフベックグループの頃、スティービーワンダーの名作「Talking Book」の中の1曲に参加しています。曲自体もメローな素晴らしい曲ですが、ここでのベックのソロがまた、超逸品。個性的なソロなのに非常に曲調にあった、本当に素晴らしいソロです。最近は、こういったソロを聴くことがないのが寂しいですね。私は、こういうモータンチックでメローなベックのギターがとても好きです。この曲では、ソロ以外にもオブリガードなどでも、個性的なギターが聴けます。2000.6.16
14.■I’ve Tried Everything
サックス奏者Eddie Harrisの「E.H.In The U.K.」に2曲参加していますが、ちゃんと聴けるのは1曲だけ。しかし、これがまた抜群のソロです。時期的に同じこともあってか、12番のLookin’ For Another pure Loveのようなメローなソロが聴けます。こういった感じのソロは、本当に最近では聴けません。ベックの後でアルバートリーのソロが始まるのですが、あくまでペンタトニックでちょっとくせのあるベックのソロに対し、アルバート・リーはジャジーで流暢で好対照です。2000.6.18
15.■Saint The Rascal
ワイヤードで共演した凄腕ドラマー、今やマライヤキャリーをはじめとするヒットアーチストを生み出すスーパーカリスマプロデューサー、ナラダマイケルウォルデンのソロアルバム「Garden Of Love Light」(SESSIONのページで紹介)に1曲だけ参加していますが、これがまた、オフィシャルアルバムでは聴けないタイプのソロです。何風と言ったらいいのか・・・独特のトーンを持った曲で、曲調に会わせたソロが素晴らしい。出だしから終始ベックなのですが、独特の不安定な音程と安定した音程を交互にまぜながら、心地よい緊張と緩和を作り出しており、節目節目の気合いの入れ方(音の絞め方)がかっこいいです。このアルバムには、油断しているとベックと間違えてしまいそうなプレイをするレイ・ゴメス(RERATIONALのページで紹介)も加わっていて、結構聴き応えのあるアルバムですが、もう廃盤になってしまっていると思います。2000.6.22(2023年現在Youtubeに上がっています)
16.■She’s A Woman
1975年のワールドロックフェスティバルでは、風邪のため2公演がキャンセルされ、結局札幌、東京、名古屋の3公演だけでしたが、いずれも風邪とは思えない熱演でした。中でもベストパフォーマンスの評価が高い名古屋公演のShe’s A Womanのソロです。トーキングモジュレーターの部分も長いし、全体的に気合いが入っています。前半は、トーキングモジュレーターの表情豊かなトーク?ですが、口の開け方とギターの弦による音色の違い、ビブラートによる音ののびに対する口の開け方など、本当に微妙なプレイです。どこかの、ワウワウするだけでライブアルバムがヒットしたPのつくギタリストとは大違い。中盤は、ノーマルに戻って粘り着くようなフレーズが展開されますが、フレーズごとがきっちりと小節にはまらず微妙にリズムの間にずれ込んでいく、この感覚がジェフベックは独特なんですね。エンディングは、熱さも峠を越したかのような音数の少ないリラックスした「間」。わずかな、ギターソロの間にこれだけのストーリーと表情を込められるギタリストは、ジェフベックをおいて他にいないでしょう。この時、ベックは熱があったらしいのですが、そんなことはみじんも感じられません。プロですね。ストラトキャスターとは思えない豊かな音色で、アルバムよりはもっとファンキーなアレンジのリズムによくのって最高の演奏の一つだと思います。
ジェフベックは、いつも名古屋公演がいいみたいで、スタンリークラークとのツアーも名古屋は抜群に良かったし、昨年(1999年)のツアーも名古屋が良かったらしいです。「ジェフベックは、名古屋で見ろ」が定説か?。2000.7.2
17.■Beyond Belief
ガンズアンドローゼズのベーシストDUFFF McKAGANのソロアルバム「BILIEVE IN ME」 から(FUCKED UP)BEYOND BELIEF のエンディング。ロックの王道、神髄、骨髄?という感じのカッコイイギターです。小手先ではなく、魂からあふれ出るようなパワー。メロディか擬音か分からないようなリック、音の引っ張り方やいいタイミングでプリングオフを使いながらリズミカルに畳み込んでいくようなフレージング、歪みながらもクリアでハリのある音色、フレーズによって様々に変わる音のニュアンス。たったこれだけのエンディングに溢れんばかりのイメージが詰まってます。さすが、小手先や手癖で弾くのではなく、身体全体、魂全体で襲いかかるようなギターはjeff beckならではです。2000.9.9
18.■Good morning little school girl -1
ポールロジャースがいろんなギタリストを迎えて(といってもベーストラックを録音したテープを送ってつくったらしいですが)マディウォーターズのナンバーをカバーしたアルバム「Muddy waters」に3曲参加していますがその内の1曲のソロ部分。しっとりとした曲調に合わせた指弾きならではの微妙なニュアンスが絶妙です。音の強弱や微妙な音程のチョーキング、アーム使いなど、従来のブルースギターにはない弾き方ですが、まさにブルースを歌っているようなギター。私は、Who Else!に入っているブルースより、この演奏の方が好きです。2000.9.9
19.■Good morning little school girl -2
18番の続きで今度はポールロジャースのボーカルに絡むオブリガードが聴き物です。ゆったりとしたリズムにのりながら、ボーカルとギターが絶妙に浮き沈みしながらエンディングに向かうのは、もう円熟の味と言いましょうか、jeff beckとポールロジャースならではと言えるんじゃないでしょうか。素晴らしい!2000.9.9
20.■I’m so proud
BBA中期のブートレグからのI’m so proudのソロ。Live In Japanと同じ時期なのでアレンジ等も同じでギターもレスポールだと思います。Live In Japanの演奏も良いですが、こちらもまた違った良い雰囲気。ゆったりとしたフレージングと思っていたら、急に小刻みなリズムに変えて意表をつかれたり、短いソロの中に本当に様々な表情を盛り込むのはさすがです。2000.9.9
21.■Sweet sweet surrender
これも20番と同じライブから。2コーラス目に入ってからの微妙なチョーキングによる独特の音程感のフレーズはjeff beckの真髄のひとつです。こういった、ちょっとしたニュアンスが非常に心に残って病みつきになってしまうんですね。だから、jeff beckはやめられない。しかし、最近の演奏には、こういったタイプの味わいのある演奏がないのが非常に残念です。2000.9.9