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第二期ジェフベックグループ 啓蒙投稿-その9

ボーカルがいるのにあえて歌曲のインストルメンタル

ジェフベック自身は、自らプロデュースをした1枚目の「Rough And Ready」の出来について当時「ひどいもんだ」と言っていました。2枚目にはちゃんとしたプロデューサーが必要ということで、メンフィスの御大スティーブクロッパーに頼んでいます。
スティーブクロッパーがどのような貢献をしたかはあまりメディアに書かれていませんが、制作作業はとてもきちっと計画的に進められたとマックスミドルトンが回想しています。1枚目の時は、レコーディングの日でさえもメンバーが集まってくるのは夕方で、少し演奏して飲みに行くというようなことが数日続いてそれからやっと腰を上げるというような状態だったそうです(笑)

2枚目では、バンドにちゃんとしたボーカルがいるのに、しかも歌詞もある曲をわざわざインストルメンタルで入れていたりします。
「I Can’t Give Back The Love I Feel For You」
元の曲はモータウンで当時はRita Wright(本名:Syreeta Wright、スティービーワンダーの元奥さん。後に「哀しみの恋人達」の歌詞付きも発表している)という女性シンガーが歌っています。

インストルメンタルをスライドでやるというのは、ヤードバーズ時代にやっていたスチールギター的な発想なのかも知れません。この曲ではメロディは普通に弾いていて、ソロになると音があちこちに飛びまくるジェフベック節が炸裂します。

ちゃんとしたボーカルがいるのにわざわざインストで・・・実はこの曲はジェフベックグループを結成する前にコージーパウエルと友にモータウンでレコーディングしたウチの1曲なのでした。それを焼き直したという感じではないかと思います。

実は第1期ジェフベックグループの頃にもロッドスチュアートという素晴らしいボーカリストがいるのに、ライブではAretha FranklinのNatural Woman(キャロルキング作)をインストルメンタルでやっていたりします。

その頃からソウルミュージックへの憧れがあったのでしょう。そもそもロッドスチュアートも「白いサムクック」と言われていました。ですから、第二期でのソウルミュージック的展開は、急に思いついたというものでもないわけです。


<Rita Wrightの元曲>