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ジェフベックの変態ギター体験

「Jeff Beck Group At Paris Theatre1972 /BBC Radio In Concert」

私の場合、ジェフベックを知ったきっかけはTVのIn Concert(BBCの同名番組の映像を流していた)で見たBBAであり、BBAのアルバムが最初のジェフベックです。

当時ちょうど来日したところでした。その少し後に大阪厚生年金会館での演奏を収録したBBA Liveが出ました。エレキギターを買って少し弾けるようになっていたギター小僧だったので、BBA Liveでのジェフベックの演奏はとにかくカッコよく、面白く、また難解でもありました。しかし、やはりジェフズブギーのかっこよさ面白さは群を抜いて魅力的でした。いろいろなロックを聴き始めていろいろなギタリストを聞いていましたが、ジェフベックのような面白い弾き方をするギタリストはいませんでした。

よく行っていた三宮のレコード店に謎めいた粗野なジェケットのレコードのコーナーがあり、それが「海賊盤」というものだということを知り、そのコーナーにジェフベックのを見つけて買って帰りました。
それが有名なBBCラジオでの公開録音のやつでした。ボール紙のジャケットに白黒印刷の紙が表代わりに挟んであるだけ。しかし、なにかまだ知らないステキな蜜があるような予感がしました。
レコードに針を落とすと、ノイズの混じった音、しかし、そこから聞こえてきたのはまた違ったジェフベックの演奏でした。
BBAのライブより、もっと変態(笑)そのレコードはピアノの音が小さく、ベックの音ばかりが聞こえるので、和音感が薄く、あっているのかあっていないのか良く分からないところもあり、しかし、とにかく、既成観念としてあったロックギターのイメージを覆すようなユニークな演奏でした。

こういう弾き方もアリなのだと思わせてくれたのでした。ある面クセのある演奏です。しかし、食べ物と一緒で、クセのあるものははまると病みつきになります。
次第にジェフベックの変態的なギターが快感に変わってきました。

この海賊盤は、元のBBCのテープからつくった非常に音の良いCDになって出ていますので、ぜひ聞いて欲しいと思います。ジェフベックの攻撃的で実験的で奇天烈な中に王道を忘れないロックスピリッツあふれるギターが堪能できます。このCDは何種類かあります(「Paris Theatre1972」「London,UK 1972」「Live At Paris Studios London 1972」や他のタイトル)が、Tonight I’ll Be Staying Here With You(なぜかこれだけモノラル)が収録されていないものもあります。この曲のギターがまた良いのでぜひ全曲収録されたCDを聞いて欲しいです。時期的には第二期ジェフベックグループの終盤、1972年の6月29日です。