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トークバッグの真実

ジェフベックと同じトーキングモジュレーターを探し続けていた友人が
ついに海外のオークションで落札し手に入れたというので見せてもらいました。

ジェフベックが、BBAの頃からヤンハマー時代まで使っていたトーキングモジュレーターは、Talk Bag(ベックはMagic Bagと言っている)という名称で語られることが多く、ショルダーバッグのような形状です。

現在一般的なトーキングモジュレーターは、というか、昔からトーキングモジュレーターは、箱形の据え置きタイプで、ピーターフランプトンやジョーウォルッシュを含めて、みんな下に置いてマイクにホースを設置する方式です。

バッグタイプを使っているのを見たのはジェフベックだけですね。
(エアロスミスのジョーペリーがバッグタイプを使っていますが、あれはベックの影響で特注でつくらせたのではないかと思います。ベックのとは別物ですね)

ベックのは、ワイヤードの頃に雑誌で機材紹介があり、その際に写真に写っていた(スティービーワンダーからプレゼントされたと書いてありました)のとBBCのTV番組でエフェクターの使い方を説明しているの以外では、ほとんど情報がありませんでした。
ちなみにベックのトーキングモジュレーターのアイデアの元はこれだそうです(友人の情報より)。

*追記(2024.4.16)
ジェフベックがBBAの「迷信」でトーキングバッグを使おうと思った直接のきっかけは、アイアンバタフライのコンサートを見てからだと、自伝に書いてあります。ジェフベックと同じようなバッグタイプを使っていますね。

Iron Butterfly - Butterfly Bleu
上の画像は、1974年にUPPとともにBBC-TVの番組に出演して機材を解説した後に、トーキングバッグを使ってShe’s A Womanを演奏縷々という映像のカットです。トークバッグのストラップがギターのストラップと斜交いに見えています。ホースには赤いテープが巻かれていますhttps://www.youtube.com/watch?v=t7nP0xwgTY0

多くの謎に包まれたベックのトーキングバッグですが、一番の謎が、「結構太い音がする」というものでした。
据え置き型のタイプは、発音部にドライバーユニットと呼ばれるスピーカーが使われており、そのためコーンタイプより低音が出にくいのではないか、ベックのにはフルレンジスピーカーが入っていて、だからのような太い音がするのではないか、などとマニアの間では言われていました。
また、そのシステムについても憶測で紹介されていましたが、今回現物が手に入ったことで少し謎がとけました。
なお、今回手に入ったのは同じ製品であり、ベックが所有していたものではありません。
この製品は、KUSTAM ELECTRIC社(現存せず)という会社がつくっていたもので、1960年代の終わり頃の製品だそうです。ですので随分古いモノですが、きれいだし何の問題もなく使えます。驚きますね。

基本構造は下図のようなことだと思います。思いますというのは、実はコレ、分解できないんです。壊れたらどうするのでしょう?さわったり除いたりしての想像図ですが構造自体はシンプルです。
据え置き型のタイプはアンプが内蔵されているものが多いですが、これは内蔵されていません。ですから、増幅は外のアンプに委ねられます。その辺り、セッティングが面倒な点があります。
後述しますが、ジェフベックは、この製品の本来の形では使っていなかったと思われます。また、先に書いた雑誌での機材紹介の時に、これ専用にフェンダーのチャンプを使っていると書いてありました。

■構造
スピーカーから音を集めてホースへ流す部分は、かなり厚めのアルミで頑丈に作られています。ですのでスピーカー部は、さわっただけではドライバーなのかフルレンジなのかは分かりません。ドライバーにしては大きいようにも思うのですが、そういうドライバーがあるのかも知れません。
スピーカーと集音器、ホースの他には、ON-Throughのスイッチ、そしてアンプへつなぐケーブルがあります。このケーブルがアンプからとアンプへと2本を1本にまとめてあり、先にはそれぞれプラグ&ジャックがついています。本来は、これで1台のアンプのスピーカの入出力を使って、バッグから鳴らしたりアンプをならしたりでき、その切り替えを本体のスイッチでやるという仕組みのようです。ただ、先ほども書いたようにジェフベックはそのような使い方はしていなかったと思います。
外側の生地ですが、ジェフベックのは本革でできていたようですが、このモデルは量産型とのことで、丈夫なジャージみたいな生地でできています。

■音質
ちゃんとした音が録れなかったので、またの機会に音を追加しますが、一般的なトーキングモジュレーターに比べて劇的に音が太いと言うことはありません。
ですから、音太くて表現力が豊かなのはベックの使い方がうまいからなのかも知れませんね。

ON-OFFの切替SW   ケーブルの出口 布地は丈夫なジャージという感じ
 
ホースの接続部分   使用状態  

■ジェフベックのシステム
ではジェフベックが実際どう使っていたのかというところですが、ライブの音源からいろいろ考察すると、まずフットスイッチで切り替えていたと思われます。そしてフットスイッチの機能ですが、切り替えると言うよりトーキングモジュレーターへは常に信号が流れていて、アンプの方をON-OFFしていたのではないかと思われます。その根拠となるのが、時々、Talking Moduraterとアンプが同時になっているときがあるからです。
BBA時代のYou Shook MeやブローバイブローツアーでのShe’s A Womanなどで、同時に鳴っているときがあります。

 据え置き型では、ホースから音が出ているとマイクが近いので拾ってしまうかも知れませんが、バッグ型なら、ホースは横にたれていて、マイクに入ることはありません。ホースをくわえていてもマイクから離れると、音は入りません。そういう特性を利用して、鳴りっぱなしだったのではないかと想像します。
このほかの方法で、同時に鳴るようにするのは、スイッチなどを工夫しなければならず、トラブルの原因にもなります。一番シンプルで、確実な方法は鳴りっぱなしにする事ではないかと思います。
なお、ライブ中鳴りっぱなしではなく、使う際、あらかじめバッグを担ぎますが、その時にスイッチを入れて鳴りっぱなしにしていたのではないでしょうか。
なお、フットスイッチについては、ワウペダルを改造したものを使っていたという話もあります。BBCのTV番組では、カチッとと切り替わるフットスイッチを踏んでいました。
(2014年5月2日+5月8日追記)


ジェフベックのオリジナルアルバムでもこんなカッコ良いのは聞けない。
Upp – Jeff Beck – Give it to You(3:45あたりから)