?> ジェフベックの”黒い”レスポール・レプリカ 「Jeff Beck Les Paul -Aged/Signed」 | ジェフベックの茶飲み話サイト。

ジェフベックの”黒い”レスポール・レプリカ 「Jeff Beck Les Paul -Aged/Signed」

ギブソンから限定発売されたオックスブラッド・レスポール。2009年の来日と重なるように発売されたジェフベックの”黒い”レスポールのレプリカを友人のM氏が買ったので、スタジオに持ってきてくれました。これは世界限定50本のウチの1本。ジェフベック本人が試奏してサインしてあるという代物。
1本250万円なり~です(*o*)ヘッドの裏に直筆のサインとシリアルが書いてあり彼のは30番。

かねてから、このギターの色は、本当は何色なのかということがファンの間でも話題になっていましたが、結局は、オックスブラッドと言われる深~い茶色。でも、ほとんどの角度や光線で黒に見えます。

このギター自体、非常に変わったギターで、詳細は下記のギブソンのリリースにありますが、もともとゴールドだった1954年モデルをこの色にペイントし、また、もともとシングルコイルピックアップだったギターに無理矢理ハンバッカーを搭載(だから、取り付け位置が通常のレスポールと微妙に違う)。そして、ひょっとしたらテールピースもエンドピンからひっぱるやつ(名称忘れた)だったのを無理矢理ストップテールピースにしたという、改造しまくりギターで、おまけに2回ほどネックが折れて修繕しているらしいです。なので、フランケンシュタインギターなどとも呼ばれていますが、そんな生い立ちとは無関係に素晴らしい音をBBAのアルバムで聞くことができます。弾き手が良いのか、ギターがよいのか。もちろん両方ですが、これだけ散々な処理をしても音って関係ないんですね。やっぱりマイクと木かな?

このギターは、1978年頃に発売されたThe Beck Bookに写真が掲載され、かなり詳しいことが分かりました。The Beck Bookをスタジオに持って行って比べてみました(マニアだねえ)がまさに同一。傷や加工の状態、コンディションまで忠実に再現してあるそうです。
ただし、後で気づいたのですが、ストップテールピースの角度が、本物の方がきついですね。なぜでしょう?オクターブ調整ができないため、それをちょうどいいところをとった角度にしているのかも知れません。じゃあ、このギターはどうなん?という疑問は残りますが、でもまあいろいろ発見がありました。

最近この手のレプリカギターが出ていて、高いし単なるコレクターズアイテムかと思っていたのですが、実際手にしてみると「ああ、ジェフベックはこういうギターを弾いていたんだ・・・」という、要するにベックのギターを借りて弾いてみたのと同じ感動があるんですね。
BBAライブの曲を弾いてみると、自分の中でベックが弾いていた状況が再現されて感慨もひとしおです。
こういう価値があるんですね、この手の商品には。いや~高いけど、値打ちありますわ。

ギター自体は、ネックが太く指板のRが浅いため、どっちかというと弾きにくい部類のレスポールだと思います。普通のレスポールはもっと弾きやすいと思いますね~。ジェフズブギーの3連プリングオフなんかちょっとやりにくいぞという感じです。ギブソンのリリースではスリム化したとありますが、元はもっと太かったのでしょうか。

もっと抜群に弾きやすいギターなのかと思いましたが意外ですね。そういえば、学生時代、バンヘイレンのローディのバイトに行った人が、ギターにさわるチャンスがあったけど、すごく弦高が高くて弾きにくかったと言っていました。オリックス時代のイチローのバットが非常にバランスが悪く、普通の人には使いにくいというのと似ているのでしょうか?????話がそれましたが、マイクは、ベックのと同じようなモデルを再現するために手巻きでつくられたとか。これ、フロントマイクが普通のレスポールよりかなりブライト。普通のレスポールのフロントマイクはもっと音が甘いと思います。
その辺りに詳しい人に聞くと、オールドのレスポールの音はそうらしいですね。ベックのオリジナルもPAFかなにかだったと思うので、そこいらを再現してあるのかも。

とにかく、思いの外ブライトで、この音からするとBBAのライブのかなりの部分は、フロントマイクで弾いているのかも知れません。弦高は低くビチビチいってます。フロントマイクを絞ってジェフズブギーの出だしを弾くとまさにBBAライブインジャパンの音になります。その他、コントロールノブの中に空洞ができている様子やマイクのエスカッションのゆがみ、彫り込んだときのずれなど、細部にわたって再現されているようです。めっちゃめちゃ弾きやすいのかと思ったらそうではないのとフロントマイクがブライトなのが意外で、BBAのライブの音に関してまたいろいろな推測が生まれて楽しみが増えました。
ただし、現状のギターを再現したのであって、弦高などがBBAの頃も同じだったかどうかは分かりませんが。それと、先にも書いていますが、なぜかストップテールピースの角度が、本物の方が少しきついです。そこも違う点。<資料:ギブソンのプレスリリースより>
【ジェフ・ベック・モデルの誕生】
ジェフ・ベックは、エリック・クラプトンの代わりとして伝説のバンド「The Yardbirds」に加入するやいなや、世界中の音楽ファンに愛されるギター・プレイヤーとして人気を博しました。その後の1967年にはロン・ウッド、ロッド・スチュワートと共に自身のバンド「Jeff Beck Group」を結成、70年代にはソロ・アーティストとしても活動し当時の音楽シーンで最も勢いのある人気ギタリストの1人となりました。その人気絶頂期のジェフ・ベックのプレイを支えたギターこそ、ギブソンのレス・ポールだったのです。

【Blood from Gold and Blow By Blow】
ある時、レコーディングのためにテネシー州メンフィスを訪れていたジェフ・ベックは、地元で有名な「Strings and Things」という楽器店に立ち寄りました。その時、ジェフ・ベックの目にとまったギターこそ、一人のユーザーがモディファイのためにお店に持ち込んでいた「’54 Les Paul」だったのです。
そのギターは、オリジナルのゴールド・トップのフィニッシュを濃い焦げ茶色にリフィニッシュされ、光の加減ではOxblood(くすんだ濃赤色)に見えました。さらに、オリジナルの「P-90」ピックアップはハムバッキング・ピックアップへ、50年代初期のラウンド・ネックはよりスリム化され、チューナーも新しいものに交換されました。
この改良されたギターを一目で気に入ったジェフ・ベックはすぐに持ち主から買取り、その後自身の多くのレコーディングやツアーで使用、数々の名演を生み出したのです。ジェフ・ベックに愛されたそのギターは1975年の自身の名盤「Blow By Blow」のアルバム・カバーにも登場し、ここに伝説のギター・サウンドが誕生したのです。

【今蘇る、伝説のギター・サウンド・・・】
このたびカスタム・ショップから新たにリリースされる「Jeff Beck 1954 Les PaulOxblood」は、カスタム・ショップのクラフツマンたちの完璧で熟練した技により、これまで以上にオリジナルに忠実且つ正確に再現されたギターです。
軽量な1ピース・マホガニー・バックから正確なアーチを描くメイプル・トップ、軽量アルミニウムを使用したバーブリッジ/テイルピース、そしてベック仕様のディープ・ジョイントの1ピース・マホガニー・ネックに至るまで、細部にわたり正確に再現されています。そこには、ベックが長年愛用したレス・ポールに敬意を表し、当時のサウンド、フィーリング、フィニッシュと共に、オリジナルのレス・ポールのヴァイブが感じられます。今回の「Jeff Beck 1954 Les Paul Oxblood」にも搭載されているギブソンのピックアップ「バーストバッカー2」及び「バーストバッカー3」は、ヴィンテージの「PAF」ピックアップを最も正確に再現したものです。コイルの巻き数を一定にしていない点やポッティングによるコーティングを施していない点など、当時のピックアップを再現しています。これら2つのピックアップは50年代後期から60年代初期にかけて人気を博した「ハムバッカー」ピックアップの正真正銘の音色です。今回ギブソン・カスタム・ショップから「Jeff Beck 1954 Les Paul Oxblood」が、2つのシリーズで発売されます。カスタム・ショップの熟練のクラフツマンたちの卓越した技術によって再現された最初の50本については、ジェフ・ベック本人が実際に演奏し、直筆のサインと製造番号が施されたものになります。
そして、もうひとつのシリーズとして発売される限定100本には、カスタム・ショップのV.O.Sフィニッシュが施され、トータルで150本のみの非常にレアな限定リリースとなります。
<以上、ギブソンのプレスリリースより>

*参考
オックスブラッドのレスポールはいつ手に入れたのか。