この海賊盤はアナログ時代から有名で、第二期ジェフベックグループの魅力を知るなら、今でもこのライブは必聴です。
「Paris Theater」と’紛らわしい名前ですがロンドンです。BBCのラジオか何かの公開録音でMCも入っています。音を聞くとスタジオって感じですけどね。
海外で発売されたJeff’s Bookによると6月29日にエレクトリックライトオーケストラの代役で「BBC Radio One’s ’In Concert’」という番組に出演し、400席のロンドンのパリスシネマで収録。7月8日の土曜日18:30〜19:30に放送されたそうです。
日本のFMでも1982年頃に一度放送されたことがあるのでご存じの方もいるかも知れません。ただこの時は全曲は流れていません。
BBCの音源なので元の音源は高音質です。現在いろいろなタイトルで編集されてでているので、どれが一番高音質なのかは分かりにくいです。また、他の音源と混ぜて編集されていたりもするのでよく吟味しないといけません。どれを買ってもそんなに悪い音質ではないと思いますが。ただ、昔はミックスのバランスの悪いものがでていた(ピアノが余り聞こえない)のでご注意。
演奏曲
演奏曲は以下の通り(演奏順は不明)
・Ice Cream Cakes
・Definitely Maybe
・Ain’t No Sunshine
・Morning Dew
・Key Solo-Going Down
・New Ways/Train Train -Plynth-New Ways/Train Train
・Got The Feeling
・Let Me Love You
※Tonight I’ll Be Staying Here With You
この中で、Tonight I’ll Be Staying Here With Youだけがなぜかモノラルで、Jeff”s Bookには、放送局のシンジケートからの編集だと書いてあります。
当日の録音に問題があって他の放送から編集したってことでしょうか?良く分かりません。収録ではDefinitely Maybeの次に演奏されたと書いてあります。この曲だけ収録されていないCDも多いのでご注意。この曲の演奏も良いです。
内容
このコンサートの音源はまず音が良いので各楽器や歌が良く聞こえます。時期的には、もうジェフベックがBBAに移りたがっていた頃(並行してカーマインやティムを話を進めていて、この1ヶ月後に二期メンバーは解散する)なのですが演奏はとても良いです。ギターはとても堅い音をしているのでメイプルネックのフランケンストラトではないかと思います。
スタジオ盤よりさらにアグレッシブというか、悪く言えば適当でハチャメチャな弾き方をしているのが初めて聞く方には驚きではないでしょうか。ある面「ヘンなギター」ですが、そこがジェフベックのユニークさの紙一重のところです。「ヘンなギター」がやがて病みつきになります。
スタジオ盤では上手くミックスされて分かりにくいギターの弾き方などもリアルに分かります。特にワクワクなんかは、まさに目の前でジェフベックがペダルを踏んでいるように聞こえます。
1曲目はおそらくIce Cream Cakes だと思いますが、1曲目からベックの独特のフレーズや間がありきたりのバンドではないことを予感させます。また、オフィシャル版では聴けないAin’t No Sunshine が入っているのも貴重です。ここでのギターソロも変態です(笑)この曲だけでなく、あちこちのフィルやソロで変態ギターがふんだんに奔放に炸裂しています。New Ways/Train Trainの中間では、ドラムとギターの掛け合いが面白くてカッコいいです。ジェフベックが凝縮されたような演奏です。
ちなみにDefinitely Maybeでもう1本ギターが聞こえますが、これはボブテンチが弾いています。ボブはもともとギタリストなのでちゃんと弾けるわけです。
この音源の演奏は、ある面スリリング、ある面粗いとも言えますが、第二期ジェフベックグループがありきたりのバンドではなかったユニークさが味わえます。歌バンドでこういうスリリングな演奏というのは他にないんじゃないでしょうか。ぜひ聴いていただきたい音源です。
Amazonでこんなのを売っていますが・・・