
この曲は、スタンリークラークの「Jurny To Love(邦題:慈愛への旅)」に入っているテーマ曲です。このアルバムにはもう1曲「Hollow Jeff」というロックンロール曲が入っています。曲のタイトルにもあるように、スタンリークラークとジェフベックの出会いの時期の録音です。この後、1978年に一緒に来日しました。その時のドラマーは日本初来日のサイモンフィリップス、キーボードは後の相棒になるトニーハイマス。この来日でもJurny To Loveを演奏していました。
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ジェフベックの長いキャリアの中でも特筆すべき名演
この曲のソロは、ジェフベックのソロの中でも上位にランキングされるべき名演だと思います。ジェフベック以外には考えられないユニークな演奏で、美しさとエレガンス、そして攻撃性を兼ね備えた構成。ジェフベックならではの小技が炸裂する非常に個性的な演奏です。
演奏詳細
テーマメロディ(0:18)は、フロントマイクを使っていますね。最後に少しアームでビブラートを掛けています。
歌を挟んでソロが始まります(01:05)マイクはリアに切り替えていると思います。のっけから独特のハーモニクスが登場。12F、9F、7F、5Fと弾いてビブラート。普通9Fは使いませんよね。それを強引に入れてしまうところがジェフベックです。
その後もハーモニクスでメロディを弾き、伸ばす音にアームでビブラートを掛けています。このビブラートにも表情があります。
最後の音(01:16)は、アームで音程をコントロールしています。後年アームでメロディを弾くのが有名になりましたが、この頃からもうやっていたと言うことです。
その後のフレーズが一聴すると普通に聞こえますが、音を追っていくと独特の音を弾いています。3弦16F、2弦15〜17F(E)で普通ならここで止めそうですが、ここから1音半チョーキングで短3度まで行きます。
次は普通なら1弦2弦で弾きそうなフレーズを3弦の21Fのポジションで、しかも3・4弦をセーハした状態でプリングオフ(01:22)していると思われます。ここで弾かないと次の音(2弦20F)に移れません。ここでも1音半から2音チョーキング(感覚的に弾いていると思います)。
次の音はF#でEのキイでは9度のテンション。ここまでの一連のフレーズではテンションノートを弾いて広がりのある浮遊感を醸し出しています。
次のセクションは、4弦12F辺りのポジション(01:30)。太い音がしているので巻線の弦で弾いていると思います。最後の音は多少弾き損じたのか、音が弱くなっていますが、それも表情のひとつになっています。
ここまで美しくエレガントに来たフレーズが一気に攻撃的になります。この場面転換もカッコイイ。
ベック奏法の真骨頂と言うべき低音弦を使ったパーカッシブで攻撃的なフレーズ(01:35)。ピックを持った状態で6弦をミュート気味に弾き、薬指などで1オクターブ上の4弦2F(E)からDにプリングオフ。これを16分音符で交互に行います。こういうフレーズの源泉はカントリーやロカビリーの奏法ですね。
その後3弦解放と2F3Fを使って弾きます(01:41)が、チョーキングではなく半音を押さえて弾いていますね。
この辺りはどの指で弾いているか分かりません。その後のフレーズは逆にチョーキングしながらピックでピッキングハーモニクス気味に弾いています。この辺がロックな感じですね。
次のセクションでは一気にまた12Fに戻ります(01:46)。
この辺の極端に音域が変化するんのもベックらしいです。6度とフラット7度のチョーキングもベックの演奏ではよく出てきます。
最後は、2弦17、1源15f、17f、19Fをチョーキングしてまた広がりをつけています。
このソロは、その場で感覚的に弾いたと言うよりは、あらかじめ構成を考えて弾いたのではないでしょうか。実際弾いたときには感覚的に変えてはいるでしょうが。スタンリークラークとの出会いのコラボで力を入れていたのではないかと思います。
ただ、もうひとつの「Hollow Jeff」のソロは、タイトルの割にはあまり特徴的なところがない感じのソロではありますが(笑)
<Original>
