この音源もLP時代から有名です。デジタル処理によって音質が良くなってタイトル違いで何枚かCDがでていました。中にはスピードが違うものもあるのでご注意。またCDによって音質が違っていました。
ワールドロックフェスティバルは1975年に内田裕也プロデュースにより「日本のアーチストと海外のアーチストを区別しない」というコンセプトで全国5ヶ所で行われ、ジェフベックが目玉のゲストでした。
ジェフベックは京都、仙台は風邪の悪化で出演キャンセルしたと言われていて、札幌、名古屋、東京に出演し3ヶ所とも音源がでています。その中でも名古屋公演は風邪を引いているとは思えない素晴らしい演奏です。
東京は、風邪が悪化したそうで、午後からの出番を早くして午前中2番手で出演。演奏時間も短く、演奏後早々とロンドンに帰ったそうです。Charさんは、午後だからまだまだ余裕だろうと昼頃着いたら、友人からジェフベックが終わったことを告げられたそうです(^^ゞ
この時のジェフベックのギターの音はレスポールのような太い音をしていて、実は名古屋公演ではFreeway Jamの途中でストラトの弦が切れ、レスポールに持ち替えて最後までそれで弾いていたそうですが、音色の変化がほとんど分かりません。
演奏曲は以下の通りですが、曲が欠けているCDもあるのでご注意。
Jeff Beck- Aichi-Taikukan, Nagoya,Japan 8/5/75
- Opening
- Constipated Duck
- She’s A Woman
- Freeway Jam
- Definitely Maybe
- Superstition
- Air Blower
- Keyboard Solo
- Cause We’ve Ended As Lovers
- Power
- Got The Feeling
- Thelonius
- You Know What I Mean
BBAの頃の曲として迷信が、第二期ジェフベックグループの曲としてDefinitely Maybe とGot The Feeling(インストで)が演奏されています。また、Powerという曲はスタンリークラークの曲でこのあたりからスタンリークラークとの交流が生まれていきます。ジェフベックのギターはもちろんですが、マックスミドルトンのピアノや今やファンクドラムの神として君臨する若きバーナードパーディのドラムも聞きものです。もちろんウィルバーバスコムのベースもすごいです。
このツアーでBlow By Blowの目玉とも言えるScatter Brainが演奏されていませんが、バーナードパーディが「俺は変拍子はできない」と言ったとか・・・・・(笑)
また、この名古屋の音源では、オープニングで腕ならしのようにいくつかフレーズを弾きますが、それが超かっこいいです。
このBlow By Blowツアーは、アメリカから続いていまして、それらの音源を聴くと、最初の方はアルバムに忠実に演奏していましたが、だんだん変化していくのが分かって面白いです。Freeway Jamなども最初はもっとゆっくりのテンポでしたが、来日公演ではかなりテンポアップしています。また、迷信をトーキングモジュレーターで「歌う」というユニークな演奏も聴けます。この時期はジェフベックも脂がのっていて、自由奔放に演奏していて面白いです。中には、She’s A Womanのソロ頭でトーキングを忘れ、ソロ終わりに、再度ブリッジセクションに行きトーキングをやるといったイレギュラーな構成や、迷信の冒頭でヒートアップした観客の叫び声にベックがギターで応酬しているものなどもあり、非常に面白い音源が多いです。
とにかく、この名古屋公演はBlow By Blowのアルバムがお好きな人はぜひ聴いて欲しい音源です。
下記ジャケットは一例です。他のジャケットの場合もあります。