The Stamble(TWINS Sound Track)
映画TWINSのサントラに入っている曲で、オリジナルはブルースの巨匠フレディキングです。この曲、ブルースブレイカーズ時代のピーターグリーンや数年前ブルースにはまっていた頃のゲイリームーアもカバーしています。実は、ピーターグリーンのプレイが一番好きなのですが、ベックのプレイもなかなか聴かせます。基本的には珍しいくらいオーソドックスに弾いているのですが、ギターソロの最後のほう、テーマにもどる辺がベックらしいところです。
先のピーターグリーンのプレイは、詰まったようなレスポールの音で独特のタメ(というかひっかりというか)を引きずりながら弾くのですが、これがめっちゃええ。ホンマにいっぺん聴いてみておくれやす。ゲイリームーアの方は、スマートでギンギンで、もう見事にひきこなしているという感じで終わったら思わず拍手してしまうくらい達者な弾きっぷりです。
本家のフレディキングは、もっと泥臭く弾んでいると言えばいいのでしょうか、黒人のおっさんのマネのできないグルーブを持っています。よくこの手の黒人ブルースマンをロック畑の人がカバーするとオリジナルより随分洗練されて、違った印象になるものですが、フレディキングのものは、比較的近いのが多いですね。ということは、フレディキングのオリジナル自体がかなり洗練されているということでしょうか。
フレディキングは、この手のインストルメンタルが結構多く、クラプトンのHide awayも有名です。

■Hot Rock(Cozy Powel/TILT)

この曲は、故コージーパウエルのソロ第二弾TILTに入っている曲で、このアルバムにはCat Movesでもベックは参加しています(ちなみにゲイリームーアも「Sun set」メチャカッコイイ曲で参加しています)。これ、まさにベックのためにあるような曲でっせ。どうして自分のアルバムに入れなかったんだろう。Cat Movesとともに1978年スタンリークラークと来日した時にライブでやっていました。その時からかっこいい曲だと思っていましたが、もういきなりリフが始まったとたんに完全にイってしまいます。ソロも実にベックらしいグネグネビヨビヨしたところや爆発寸前のスリリングなところもあるし、これ100点満点の120点です。ただ、惜しいかな、ギターの音がたぶんライン録りされているようで、ベチャーとした音です。これがいつもの音なら200点。

■Cat Moves(Cozy Powel/TILT)

前の曲で話が出たのでついでに書いてしまいます。この曲、アルバムではギターシンセを使っていてなんか頼りない音がしているのですが、ライブでやっていた時はギターとバッキングをキーボードはローデスでやってました。
これがとても良く、リズミカルなローデスの音はブローバイブローの「分かってくれるかい」のような軽い感じでいいグルーブでした。こっちの方が絶対いいのに、アルバムでは全編頼りないギターシンセです。マイナス40点。しかし、中盤をすぎたくらいからテーマにからむようにギターが鳴り出すのですが、低音で今にもほえそうな犬のようにウーウーとうなっているようなところはベックらしく嬉しくなってきます。プラス20点。でまあ80点てところです。曲自体は、リズミカルなかっこいい曲です。一度聴いてみてください。もし、ブートで1978年の名古屋市公会堂や大阪厚生年金会館の分があれば、それの方がかっこいいです。

■Jurny To Love(Stanley Clark/Jurny To Love)

スタンリークラークのアルバムに初めて参加した曲です。美しい神秘的な曲想ですが、ソロが始まってぶっとびました。そう来るか・・・という感じです。ナチュラルハーモニックスでメロディを奏でてアームでアクセントをつける。実に不思議な感じの雰囲気のソロで曲想にぴったりです。他に誰がこんなソロを弾けようか。その後ののびやかなピッキング、後半がらっとトーンが変わって低音弦でのパーカッシブなリックもジェフベック以外に考えられません。最後は、ベックによくあるパターンで間延びしそうな小節の空きを強引につじつま合わせています。それほど長いそろではないですが、いろいろなトーンとイメージと奏法が込められていてひとつの世界を形成している。こんなに内容の濃いギターソロがあるでしょうか。300点。

■Manic Dpression(A Tribute To Jimi Hendrix/STONE FREE)

出ました久々のヒット!最近セッションの多いベックですが、どれもそれなりでストレスの蓄積が気になっていましたが、一気に解消です。本家ジミヘンを凌駕するぶっととびパワーでグリグリ行きます。50すぎのオッサンとは思えません。特に後半、アームを目一杯ダウンさせて弦がビロビロになった状態の音を実にかっこよく使っています。こんなことするのは、ベックだけですね。このCDは、ほかにもいろんなミュージシャンが入っていて値打ちものですが、この1曲だけでも価値ありです。聴き終わったあとは茫然自失失禁間近弛緩必至般若心経寡黙鎮静再起不能幻覚重視楽々パック、七転び八起き・・・ヒャ〜カッコイイ、そんな感じの演奏です。