ああっと驚いた第二期映像。

 第二期の映像は、長らくBeat Clubのジェフベックが3人出てくるDefinitely maybeだけでした。 第二期の実際の演奏がみたいな〜とずっと思っていました。 そうしたら、2010年4月、ジェフベックの来日公演に被さるようにこのとんでもない映像がTVで放映されました。しかも5曲も。 ドイツのTV番組用の収録だそうです。合成用にブルーバックで撮影していますね。これを土台にBeat Clubの3人ジェフがつくられたんですね。
この映像のインパクトが凄すぎて、せっかくナラダマイケルウォルデンと一緒に来た来日公演が霞んでしまうほどでした。 いや〜面白いです、この映像。 なぜ今になって出てきたんでしょうかね?ジェフベックはマネージャーが替わってから俄然精力的に活動しているので、そういう関連でしょうか?

この映像は、本当にジェフベックらしさが随所に見られます。
まず一番に気づくのが、ジェフベックは演奏するときに手元を見ず、ほとんどメンバーの方を見ていることです。ここまで手元を見ない人も珍しい。それほど周りの音やメンバーののりや表情を見ているんですね。それに反応して気持ちのままに弾くというところです。
その弾き方。 本当に気持ちのまま。一般的な感覚から言えば「おい、もっとちゃんと弾け〜!」って感じのいい加減な弾き方ですが、これこそジェフベックならでは面白さです。キメのフレーズすらちゃんと弾かない。気持ちが高揚しなかったらしなかったように、高揚したら激しく、要するに自分の気持ちに忠実なんですね 。

思いのままをギターで奏でる。これ、できそうでなかなかできません。普通は、どうしても流れで弾いてしまったり、様式にとらわれたり、第一全体の完成度を気にするから丁寧に弾いてしまいますが、ジェフベックはそんなことより、その時の瞬間瞬間を大事にしているんでしょうね。瞬間のスリルやぎりぎりのトライなど、危ない橋を渡る分、ミスったり完成度は落ちますが、感動は果てしなく大きくなります。完成度と感動に相関関係はないということです。
海外のミュージシャンって結構そういう価値観ですよね。日本は逆、だからこじんまりまとまって面白くなくなってしまうんです。 海外は少々ミスがあろうが、ノリ、ムード優先で決めてしまいますよね。

さて、次に面白いのはギターです。これファンの間では有名なギターですが、このときはネックがメイプルネックでスモールヘッドです。 後年、ヤンハマーとのライブなどでは、ラージヘッドのローズネックがついていて、そっちの方が有名ですけどね。 この頃は、メイプル。だからめちゃめちゃ硬い音しています。この音からすると、有名ないくつかのブートで聞かれるBBCラジオのライブもこのギターを使っているのではないでしょうか。 しかし、実に適当なギターです。きっとこの頃は、状態もさほど良くなかったのではないでしょうか。しかし、この人たちはどんなギターでも自分の音をだせる人たちです。
有名なオックスブラッドのレスポールの再現モデルを弾かせてもらいましたが、実に弾きにくいギターでした。ネックが太いですから、ジェフベックの手には良いのかも知れませんが。

弾き方のテキトウさは、この映像でもよく分かりますが、オレンジワークスという第二期2枚目のアルバムの各楽器のトラックが別々に聞けるブートでも分かります。本当にしっかり弾いていないというか、弾いたり弾かなかったり、急にがが〜っと弾いたり。それがジェフベックなんですね。この映像を見ているとその辺りのことが実によく分かります。
この弾き方こそが何とも言えないサウンドやフレーズの源泉になっていると思います。 よく言えば心のままに、悪く言えばテキトウに弾いていますが、その間やフレーズ、強弱、タッチすべてが、サウンドの表情になっています。 日本でこんな演奏していたら「ちゃんと弾け〜!」とか言われてNG食らいそうです。

この映像で、もうひとつジェフベックらしいところがあります。服です。なんでしょうか、あのジャケットは?Gジャンの裾を破ったみたいな。それも破ったと言うより破れたみたいな。袖のロールアップも何か意図があってというより、ただ邪魔だから?なんか中途半端な着こなしで、よくそんなのでTVに出るよな〜って感じですね。 他のメンバーのもまあ素朴ですが。
それに動きがなんかヘンです。定位置にいたいのかいたくないのか、どこへ行きたいのかよく分からず、かと思ったらアンプにへばりついたり。カメラさんも困ったでしょうね。 だから、ジェフベックを映してもマイクスタンドが邪魔になっていたりして、ちゃんと映像としてはまっていません。困りますな〜。
でも全体の演奏はいかにも第二期で、決して完成度は高くないけど、めちゃめちゃいいです。
コージーはやっぱりうまいですね。 よく、あれだけハイハットを離して置いて叩けるものだといつも思います。 個人的には、Tonight I'll be Stay Here With Youをやってくれているのが非常にうれしい。この曲のライブはいくつかのブートで聞けますが、コージーのゆったりとしたドラミングが素晴らしい。
BBCのライブにもこの曲をやっているやつがあります。モノラルですが。ちなみにこのテイクは、まさにジェフベックならではのフレーズが聴けて面白いです。
ラウンドハウスでのこのメンバーでの最後の演奏の時のも素晴らしい演奏です。 ドラムの実力は、こういうゆったりとしたバラードで出るなぁと実感させてくれる演奏です。本当に亡くなってしまったのが惜しい。
最後までジェフベックと交流があったのだから一緒に演奏して欲しかったですね。今度(2011.7月時点)のアルバムはロッドとつくるとか言っていますので、コージーが生きていたら、そこに入っているかも知れなかったとしたら、本当に地団駄踏みそうに悔しいですね。

Definitely Maybe
初っぱなからマイクスタンドのけろ〜と叫びそうです。この映像では2人のジェフベックがでてきますね。マックスミドルトンは、ホントにマリオのようです。ギターソロの時もマイクスタンドがじゃまですな〜、なぜのけなかったのでしょう?
アンプのセッティングにもよるのでしょうが、フロントマイクでもかなりトレブルの効いた音をしていますね。この演奏では2人目のジェフがハーモニーを弾いていますが、ライブでは通常ボブテンチが弾いていたようです。実はボブテンチは元々ギタリストなんですね。このバンドにはボーカルとして参加していますが、このあとのハミングバードではギターも弾いていたりします。 マックスマリオ君のローデスはいいですね〜 この人のピアノも独特の個性があって好きなのですが、ジェフベックとの活動以降はあまりパッとした活動をしていません。

Going Down
始まりのピアノソロの時のジェフとボブテンチの所在なさが面白い。マックスは、ソロの時にブギウギピアノを入れてくるので好きです。 それにしてもコージーは、こういう激しい曲でもレギュラーグリップなのが面白い。 歌が始まるとボブテンチに寄っていって一緒に歌っています。TVだからか、短めに終わっています。

Got The Feeling
この曲も映像で見れるのがうれしい。さびに入ってからのコードポジションがローコードを使っていて、あ、コピーしたのは合っていたと喜びました。後半、ギターソロに入ってからのムードは、ブローバイブローツアーで、インストで演奏していた時と同じですね。 コージーのドラムはかっこいいです。

Morning Dew
この曲やりますか?という選曲ですね。アイスクリームケーキかジョディをやって欲しかったなぁ。そういえば、BBA唯一の映像であるインコンサートでもこれやってましたね。好きなのかな? 16部音符のリフのところはさすがうまく弾きますね。意外と難しいですよね。クライブチェアマンもやっぱりうまいなあと感じさせるところです。 後半、おいおいどこに張り付いてんねんってフィードバックが見られます。

Tonight I'll be Stay Here With You
スライバーを使ったあとに律儀に胸ポケットにいれるのはカッコ悪くないか? しかし、単調になりがちなこういうバラードを実に表情豊かに演奏するもんです。

 
 2011.7.20