”フランケンストラト”レプリカ製作記

魅了満載の奇妙なギター。
ジェフベックのギターが第二期からヤンハマーグループのツアーで使っていたナチュラル風のストラトが通称「フランケンギター」と呼ばれてます。オックスブラッドのレスポールもそう呼ばれることがあるようですが、そのつぎはぎ具合から、ナチュラル風ストラトの方がより「フランケン(シュタイン)」かもしれません。

このギターは、第二期頃はメイプル指板&スモールヘッドのネックなのですが、ヤンハマーとのツアーの時は、ローズ指板&ラージヘッドになっています。世に出ている写真のほとんどがこのローズネックの時の物で、メイプルネックは「Beat Club」の映像でしか確認できません。

この音を聞く限りでは、メイプル指板だからかかなり堅い音がしているように思います。有名なBBCでのライブ音源もこのギターではないかと思うような音です。第二期のライブの多くがこのギターで演奏されていたのではないかという気がします。

第二期の写真というと、ローズ指板の白いストラトと白いジャケットのが有名ですが、あれは第二期も末期、BBAへの移行期間の頃ではないかと思います。その頃のブートレグで聴かれるストラトの音は、前述のメイプル指板のそれとは少し違っている気がします。ただし、アンプもマーシャルからSUNに変わっているし、見たこともないので何とも言えませんが。

”ナチュラル風”と謎のトリミング&穴。
このギター、”ナチュラル風”と書いたのは、いわゆるストラトのナチュラルモデルとは異なるからです。
よく見ると自分で塗装を剥がしたようなムラのある仕上げです。表面もつや消しっぽい。色ももっとダークな感じです。何らかの色を剥がしたのだと思います。第1期の頃にも塗装を剥がした「ナチュラルレスポール」なる奇妙なギターをステージでも使っていました(Beck Bookに掲載)。かつて自動車整備工をし、趣味にもしているところから、ベックが自分で作業したのではないでしょうか。技術も工具もあるだろうし。

そして、一角が切り取られていて穴が空いているピックガード。これはどのような経緯でこうなったのか分かりませんが、大きな穴には、レスポールなど使われているトグルスイッチがつけられていたのではないか、そういうことを行っていた別のギターのものではないかなどと想像しますが、切りとりも含めてよくわかりません。
こういう風に切り取られているのをこのギター以外で見たことがありません。

そして、ボリュームノブは、ジャズマスターのものがつけられ、2つのトーンツマミも色が違っています。
ヘッドのロゴは削られ、指板はかなり使い込まれています。つまりいろいろなパーツを集めて組み上げられたのだろうというところから、いつの頃からかフランケンギターと呼ばれているようです。
とても奇妙な魅力満載のギターです。

ジェフベックの使っている歴代のギターは、フェンダーを始めいろいろなメーカーからモデルとして出ていますが、さすがにこれは製品として見たことがありません。
関東にあるストラト専門のギター工房「ストラトクレイジー」さんが両モデルをつくっていますが、かなりの価格です。
オールドパーツにこだわって作られているので手間も考えるとって感じですね。
ジェフベック研究家で有名なプロギタリストの大槻さんが、ローズネックのこれを弾いているのを何かで見たことがあります。
それ以外には見たことがない・・・・・・というので、

ジェフベックのイベントに出演するに際してレプリカを作ってみました(笑)
すべて同じ仕様というまではできませんでしたが、ポイントを押さえてムードの再現を目指しました。
中古やジャンクのパーツを加工して、文字通り”フランケン”な作りになっています。

  • ボディは、サンバーストを剥がし、資料の写真を見比べながら、初期段階で3回ほど塗り直し、色つきニスを塗っています。20回ほど塗り重ねてペーパーとコンパウンドで仕上げ。
  • ネックは、スクワイヤーのジャンクを入手し、塗装を剥がし、フレットを打ち直し、ナットを設置。ペグをクルーソンタイプに交換。
  • ピックガードほか、ボリュームノブ等等はすべてAmazonで調達できました。おそるべしAmazon。