初めて見た実物。

 私が初めて実物を見たのは、1978年のスタンリークラークとの来日の倉敷公演でした。
 なんかちょっと印象が違いましたね。もっと背が高くて、ごつい感じなのかと思っていたのですが、意外と頭でっかちでかわいい印象でした(もっとも元来イギリス人は、そんなに大きい人種ではないですしね)。ギターも大きく感じました。もっとも、ギターというのはその弾き手のうまさによって大きさの印象がかわるもので、うまい人のギターは小さく感じます(アンガスヤングだけは例外ですが)。ジェフベックも見ている内にギターの大きさは感じなくなりました。

 また、ステージアクションが結構あるのにも驚きました。写真なんかで激しい場面が写っているので、そういう面では普段からあるのでしょうが、なんか淡々と弾くような印象があったんですね。しかし、実際は、オーバーアクションで、ギャンギャン弾くので喜んでしまいました。ただ、なんかわざとらしい、取ってつけたような感じがするのは私だけでしょうか。あの人はあれが自然なのか、あるいは本当は淡々と弾く人なのにステージ映えを意識してやっているのか。でも、ああいうアクションをつけながらでもちゃんと弾くのはさすがです。

 ところで、人から時々、ジェフベック本人に会ってみたいと思うかと聞かれることがあるのですが、それが思わないんですね、意外と。私は、ただ会ってサインなどもらって写真など撮ってもらうだけなら、そんなに会いたいとは思わないのです。イヤではないですよ、もちろん。むしろ、うれしいし、エキサイティングなことでしょうが、それでどうした、という感じなのです。

 会うなら、私はじっくりと聞いてみたいことがいっぱいあるのです。やっぱり、テーマは、どういう背景でああいったアプローチを生み出した(行っているのか)ということです。ギター表現におけるジェフベックの持つ特異性とその根底に存在する音楽や表現の普遍性。過去のインタビューの端々からもある程度うかがえますが、ジェフベックの中の価値観みたいなものを聞いてみたいですね。特に、あの独特のはずしかた(あれは”意図的に偶発させて”行っていると確信しています)の方法論を確かめてみたい。そして、おそらくジェフベックの中にギターミュージックの理想のようなものがぼんやりイメージされている(きっとぼんやり打と思います。はっきりではなく)と思うのですがそのことなどを聞いてみたいですね。そういうことができるなら、非常に、とっても、メチャクチャ、very、会ってみたい。
 とはいっても、つたない英語ではそんなに込み入ったことが聞けないので、根本的に難しい。それに、まず、会う機会がないって・・・!

 

2000.1.26