モントレージャズフェスティバル2001のジェフベック

 珍しい。モントレーにジェフベックが出演。しかも、NHK BS-2で放映(9/15,22)なんてうれしいじゃないですか。

 現在のバンドを率いてなので、ワタシ的にはあまり期待しておりませんでした。しかし、2日あわせて3曲映りましたが、現在のバンドにしては、ジェフベックらしいギターだと思いました。特に22日の「ブラッシュウイズザブルース」と「ルージキャノン」などは、かなりジェフベックらしい間も感じられました。

 でもまあ基本的にはやっぱりギターばかりが、ただ頑張っているという感じ。相変わらず色気のないドラムで、何の感動もスリルも起きそうですらありませんでした。ジェフベックは、このバンドを従えてギターを弾いていて本当に楽しいのでしょうか。疑問です。もうバンドしなくて良いから、いろんな人と、人の曲や昔の曲やをセッション形態のライブでやって欲しいですね。その方がずっとジェフベックの良さが味わえるような気がします。

 モントレーの22日の分では、ジェフベックよりマーカスミラー、ハービーハンコック、シャクティの方がずっとスリリングで上級に感じました。これらのユニットに比べ、ジェフベックのはユニットとして陳腐すぎると、ワタシ的には感じました。早く解散して、別 のユニット組んで下さいな。

 ジャコの曲のマーカス流も格好良かった。ドラムのジェリーブラウン、18番のたたきながらのスティック回しやっていました。この人は、スタンリークラークなどともやっているのですが、リズムのはねかたが、サイモンフィリップスに近い、タイトでゴムボールのような心地よいグルーブです。

 そして、もう御大の存在なのにあんなに最先端の音楽をユニットをつくるハービーハンコックは本当にすごい。むか〜しの第一次ヒップホップブームの時も真っ先にやってたっすよね〜。あれもカッコよかった。今回のもスリリングな空気は、崇高でさえある。ジェフベックもやるならあのくらいの空気の中でやらないとね。

 
そして、シャクティ。あのすごさは、何なんでしょうか。さすがはマクラフリン。あんなの聴くと、ジェフベックの「ナディア」のスカみたいなこと。ああいうのはギターだけが頑張ってもダメなんですね。ギターショップの「Behind The Veil」がいいのもテリーボジオのドラムが雰囲気を盛り上げているからだし、There and backの「El Becko」もドラムやピアノが曲の演出に大きく貢献しているのら。ま、シャクティのすごさはもと違うところにあるけれど。

 たまげたのが、スティーブルカサー。何だ、あのジェフベックの影響を受けた超テクのアマチュアギタリストのような演奏は。本当にうまいだけのギタリストだなという感じがしました。メチャ、安もんくさい。ジェフベックのような弾き方をするばかりか、もろベックのリックまで飛び出す始末。シャレでやっているならいいけど、そういう演奏ではないし、いったいヤツは何がしたいんだ?迷走しているのか?もともと自分がないのか?
 ジェフベックのアルバムをプロデュースして、無断で没にされてかわいそうな目にあっていた頃は良いヤツなんだと思っていたのに。ま、今でも良いヤツなのかも知れないが、それとプレーは正比例しないと言うことか? ジェフベックのようにヤなヤツの方がやっぱり芸術方面 はいいのだろうか?

 ルカサーに比べるとラリーカールトンは円熟というか、そんなに驚きはないけど、なんか渋い良いギターが聴けました。

 マクラフリンやハンコックなどと比べると、やっぱりジェフベックはギタープレイヤーなんだなと感じます。サウンドプロデューサーとして総括的に何かの表現物をつくっていこうというタイプではないのだと思います。あくまで1プレイヤー。

 本当に純粋にギターの可能性を追求するというか(昔はギターの職人なんて言われていましたが、それじゃギター工房のオヤジじゃないか・・・)、研究に近い。だから実験をくりかえしているのだと思いますが、最近実験はあまりうまくいっていないというか、研究チームのメンツが良くないですね。また、ジェフベックのギターの魅力の大部分は即興性にあると思うので、やはりそういった即興性が際だつ環境で弾くことが必要ですね。
 良い研究所、良い研究者に出会って良い実験をして欲しい。と、思う一方で、もういい加減疲れているのではないかという気もします。
 いくらジェフベックでも、やはり人。ホモサピエンスですから、歳をとれば体力も衰えるし、気持ちも保守的になるし、更年期障害も出てこようと言うものです。

 もう可能性を創造できる良いメンバーが集まらないのなら、昔のパターンで良いから、面 白いメンバーを代わる代わる迎えて大セッション行脚をやってみてはどうだろうか。ワタシはそれでもウレシイ。

 でもな、やっぱりマックスミドルトンと一緒に誰か探してやって欲しいな。今でも行き来があるらしいから、冗談でいいからアルバム1枚つくってくれ〜。第二の第二期ジェフベックグループ。、もうほとんど、村の時間の時間、斉藤清六のようです。タイトルはズバリ「俺ん家」(オレンチ)。こういうあったかい、懐かしい感じもいいのではないのではないだろうか。

2001.11.1