孤独なジェフベックファン?

 どういうわけか昔から私のまわりには、熱心なジェフベックファンがあまりいませんでした。もちろん、みんなジェフベックは知ってはいましたが、One Of Themといった感じで、特に好きという人が少なかったのです。ただ、それは私の好きさ加減が特別だったのかも知れません。知り合いのイラストレーターT氏(この方は、私の周りでは一番のジェフベック支持者で、他のミュージシャンも含め実にセンスのいいところをよくご存知の方)は、親しみのある大阪弁で「こないにベックが好きな人も珍しい」と言っておりました。ただ、しかし、私もベックしか知らないベックおたくというわけではないのです。いろいろ聴く中で(最近はあまり聴きませんが)ベック以上に感銘を与えてくれるミュージシャンがいないだけなのです。

 私がベックを知った中学高校生の頃はちょうどBBAからブローバイブローへの移行期で、まだバンドをやっていると言うこと自体が結構珍しいことでありました。ギター小僧と言えばクリームや(もちろん追体験ですが)ブルースロックが入り口で、セッションと言えば3コードを延々繰り返し、結構飽きながらも悦にいっておりました。そう、あのブルーノートスケールの怪しげな響きや3コード展開のブルーでドラマチックな展開に酔いしれておりました。そんなギター小僧の手始めと言えば、とりあえずクラプトン、ベック、ジミヘン、ペイジ、それにブラックモアあたりから始まっていました(日本でならChar、竹田和夫くらいだったかな)。それがいつの頃からか、スタートがバンヘイレンになり、ジョーサリトリアーニになり、布袋になったりしています。今どきの若い人は、日本なら誰がアイドルなのでしょうか。しかし、とりあえず、ジェフベックは、間違いなく有名、あるいは人気、あるいは伝説の・・・とにかく特別なギタリストであることは、いまどきの若いもんでもギター小僧なら知っていると思うのです。しかも、ジェフベックの世代のロックというのは原点のロックであり、ロックの普遍的な魅力を包含していると思うので、時代を越えてその魅力はアピールするもの(ビートルズのように)だと思うのですが・・・。しかし、同世代でもクラプトン、ストーンズなんかは、若い人にもアピールしているところを見ると、やはり活動をしていないというのが悪いのでしょうか。(1998年秋)

※その後、1999年3月にニューアルバムを出し、5月に来日。ベックは再びロックシーンを騒がせました。この騒ぎで新しいロックキッズはベックをどのようにとらえたのでしょうか?また、新たにベックを知った若者にどのように映ったのでしょうか?

1999.10.13