AERO SMITH

あのカッコよさの源泉はヤードバーズとジャニスジョプリン?

ギタリストのジョーペリーが熱心なジェフベックのファンであり、エアロスミス自体もストーンズやヤードバーズやをアイドルとして誕生したということ、そのヤードバーズの代表曲である「トレインケプトアローリン」を定番レパートリーとしていることなど、ジェフベックのファンにとっては気になるバンドのひとつです。
JEFF BECKは、WIRED発表後のツアーで一時エアロスミスと一緒だったことがありますが、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったエアロ。ジェフベックはなんとエアロの前座だったんです。日本で言えば氷川きよしが北島三郎を前座にするようなものです。売れる者勝ち!アメリカのショービジネスの厳しさを感じました。
そのツアーの時、エアロのアンコールでジェフベックが登場し1〜2曲演奏したことがあるのですが、その時のことをジョーペリーがインタビューで次のようなことを語っていました。
「あれは今までのオレの人生で最高の瞬間だったな。考えても見ろよ、ずっとアイドルとしてあこがれていたジェフベックと同じステージに立って演奏しているんだぜ。でも、最後にトレインケプトアローリンをやろうと言ったときジェフは、”オレ、そのアレンジじゃやれない”ってステージを降りてしまったんだ。残念だったな」
そのときのブートが出ていたと思いますが確認していません。
このようなこともあり、エアロスミスは私にとって興味深いバンドのひとつになりました。


エアロスミスというバンドは、名前も含めてとにかくカッコイイ。ロックバンドは、そうでなければね。サウンドは結構ファンクとロックンロールが融合した、独特のグルーブを持ったバンドだと思います。昔RUN DMC(先頃リーダーがスタジオで射殺されてしまった)が歌ってヒットしたウォークジスウェイをはじめ、スイートエモーションやバックインザサドルなど、カッコイイリフとファンキーなリズム、意外とこういうバンドは無かったんですね。

このバンドはとにかくスティブンタイラーという非常に個性的なボーカルとそれにカップリングされるかのようなジョーペリーというギタリストが看板です。しかし、もうひとりのギタリスト、ブラットウィッドフォード?やリズム隊もとてもいい味があります。

ジョーペリーのジェフベック度に関しては、ギターのタッチやフレーズ、トーキングモジュレーターの使い方など、ジェフベックの影響らしきものは非常に伺えます。しかし、根本的なギター体質は違います。
このジョーペリーという人は、見た目にはカッコイイのですがギタープレイに関しては、特別うまいわけではなく下手でもなく、かといって強烈な個性があるわけでもない。チュートハンパな感じなんですね。それと弾き方が結構甘い。ルーズのかっこよさと言うよりはシャープさに欠けるという感じ。そこが独特の個性だと言えなくもないですが、それが魅力かと言えばう〜んと考えてしまう(ジョーペリーファンの方々ごめんなさい)。
ギタリストとして見ると不思議な存在感です。
一時エアロが解散したときにジョーペリープロジェクトという自分のバンドでアルバムも出していましたが、結構かっこいいけどいまいち突出したものがない、というような印象でした。
歌で持たせられるわけでもなく、ギターで持たせられるわけでもない、チュートハンパな感じなのですね、やっぱり。3枚くらいでやめてしまった(行き詰まった?)と思います。
やりたいことはいいけど、それが結構高度なことで技術と資質とメンバーがついっていっていないという感じなのかも知れません。
しかし、エアロにとっては無くてはならない個性であることは確かで、エアロが再結成して、登場したときには、やっぱり「オオー!」という言葉にならない感慨がありましたし、再結成したエアロも昔通りのカッコよさがありました。

余談ですが、スティブンタイラーは、個性的で非常に好きなボーカリストのひとりです。しかし、ミックジャガーやロッドスチュアートのような黒人からモロに影響をうけたのとはちょっと違うような気がしていたんですが、タイラーはジャニスジョプリンをかなり意識していたというのをエアロファンの人に教えてもらってなるほどと合点がいきました。
あのシャウトは、サマータイムのそれと同じです。エアロファンの間では有名な話なのかも知れませんが私は最近知りました。ただ一番のアイドルは、ジムモリスンだそうですが。ちなみにドラッグやアルコールに溺れたのもそのアイドルのライフスタイルをなぞったことからだということです。
エアロはロックとしては第2世代、やはり第2世代のギタリストがBBキングなどの黒人から直接的に影響をうけるのではなく、彼らから影響を受けた第1世代のクラプトンやベックなどから影響受けているのと同じですね。



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「Live Bootleg」
1. Back In The Saddle
2. Sweet Emotion
3. Lord Of The Thighs
4. Toys In The Attic
5. Last Child
6. Come Together
7. Walk This Way
8. Sick As A Dog
9. Dream On
10. Chip Away The Stone
11. Sight For Sore Eyes
12. Mama Kin
13. S.O.S. (Too Bad)
14. I Ain't Got You(mp3/3.6M)
15. Mother Popcorn
16. Train Kept A Rollin'/Strangers In The Night

このアルバムは、かなり昔のですが昔の一番血気盛んだった頃のエアロの熱気あふれる演奏を聴くことができます。
「Live Bootleg」とありますが海賊版をおちょくった公式アルバムです。
Sweet Emotionなどはトーキングモジュレーターで「スウィートエモーション〜〜〜」とやったり、ピックで弦をキャキャキャキャとやるなどジェフベックの影響が伺えます。また、後半の狭いホールでの演奏ではヤードバースの代表曲「I ain't got you」もほぼヤードバーズバージョンで演奏しています。エアロというと大きな会場で、ガンガンロックするというイメージですが、このアルバムには大ホールの演奏に混じって、小さなホールのようなところで、しかも音もハードではなくR&Bっぽいノリの演奏が収録されているのですが、私はこれが非常に好きです。
また、最後にはTrain kept a rollin'(これは大会場でのテイク)もあるなどジェフベック好きにはうれしい内容です。
14. I Ain't Got You(mp3/3.6M)を聴いてみてください。後半のソロがジョーペリー。う〜ん結構べっくっぽい。

2002.11.4