すでにテクニックは頂点に達していた?
こんな昔にこんなすごい演奏をやっていた。
生涯?の友、マックスミドルトンとの出会い。
自由奔放、超ハイテンション・・・
ファンキー、ジェフベック!!!
ヤンさん、ナラやん、JAZZ系はやっぱすごいわ・・・
インスト時代のまとめに入ったか。
ノラクラしている間にケツ叩かれてヘマこいた。
アルバムの内容は良いものの、長い沈黙の時期に入る。
YOU HAD IT COMING 
OTHER etc.

The Yardbirds 

当時すでにテクニックは頂点に達していた?

トリデンツというセミプロバンドから、エリッククラプトンの後がまとしてヤードバーズに抜てきされました(最初ジミーペイジが誘われ、ペイジはほかのことをしたかったのでベックを紹介したらしいですが)。ベックのメジャー活動のスタートです。

私は、ヤードバーズというバンドそのものを好きなのでクラプトン、ペイジの時代もそれぞれ好きなのですが、ヤードバーズの一番華やかな時期をベックがつくったんじゃないでしょうか。横道にそれますが、ペイジ時代のアルバム「Little Games」の中のWhite Summerは変速チューニングを使ったインド風生ギターの曲で、私メチャ好きです。後にツェッペリンで形を変えてBlack Mountain Sideとしてやっています。2枚目だったと思います。ペイジさんは、エレキはあんななのに生ギターはうまいですよね。昔、一番好きなミュージシャンはCSN&Yだと言っていたと思います。ジェンレンボーンやペンタングルなどにも影響を受けたと本に書いてありました。

さて、ベックですが当時のライブ録音や映像から察するところ、もうヤードバーズ当時すでにギターテクニックは、今と変わらないくらいのレベルに達していたように思います。ホントにうまいですね。昔なんか、みんな下手だったからクラプトンも含め、彼らのギター演奏が驚異的だったんだろうと思います。アルビンリーが「世界一の早弾き男」なんて呼ばれていましたよ。今、聴くと何で???と思いますが・・・。余談ですが、それから考えるとレスポールやチェットアトキンスなんかのおじいちゃんは、すごいですね。今でもメチャクチャうまいけど、若かりしころはもう他の追従を許さんっちゅー感じだったんだろうと思います。

ヤードバーズ時代のベックの演奏で印象的なのはやっぱりJeff's Boogieでしょうか。これ、チャックベリーのギターブギーを土台にレスポール氏の「世界は日の出を待っている」のバッキングにクリソツですが。レスポールと言えば、Guitar Shopという曲の途中でレスポールの「ハウハイザムーン」のイントロがちょこっと出てきます。知っていました?(マニアネタ?)。

あとTrain Kept A Rollin'(=Stroll On)も好きです。マーキークラブでのライブCD「On Air Original BBC Recording」が出ていますが、とても良い内容です。そうそう私はI Ain't Got Youも好きなんです。特にバッキングが、味があります。この曲、エアロスミスもやっていました「Live Bootleg」(Train Kept A Rollin'も収録)。スティブンタイラーのボーカルがカッコイイ演奏です。ジョーペリーのギターもどこかベック風です。

Train Kept A Rollin'はベックも好きらしく後年もよくライブでやっています。もともとビッグバンドの曲らしいですが、ロカビリー畑で受けているよう(ストレイキャッツもやっている)で、その辺にルーツを持つベックとしては当然かも知れません。映画「Twins」の中でも演奏していました。

スタジオ盤では、「Roger's Engineer」(英国タイトル。アメリカ盤は「Over Under The Sideways Down」)が、代表作とされています。ベック時代のオリジナルアルバムは、正式には結局これだけではないでしょうか。

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ヤードバーズの後は、しばらくソロで「恋は水色」「Hi Ho Silver Linening」などを録音しますが、「恋は水色」なんているBGMみたいな曲でも、癖のある弾き方でベックらしさが出ています。 この頃、レッドツェッペリンのメンバーをはじめロンドンのロックシーンのキーパーソンといろいろセッションをしたりして次のバンドのメンバー探しをしていたようで、いろんなバンドの活動の場だったディスコティークにも頻繁に 出入りし有名な「ダーリンオブディスコティーク」のあだ名を付けられます。
第一期Jeff Beck Group 

こんな昔にこんなすごい演奏をやっていた。

さんざんメンバー探しをした末にロッドスチュアートという逸材を見つけ出し、第一期ジェフベックグループになっていきます。あのロッドスチュアートがジェフベックグループによって世に出たことは、あまり知られていません。
このバンドは、終始メンバーが頻繁に入れ替わる不安定な状態(ドラムがよく変わり、ロンウッドも一度出たり入ったりした)でしたが、基本的には、ロッドスチュアート、ロンウッド、ベック、ミックウォーラ、ニッキーホプキンスという今をときめくメンバーです。
アルバムを2枚出していますが1枚目は、あくまでジェフベックのソロ名義で、違うメンバーによる演奏(ベックスボレロ)なども入っています。2枚目は先ほどのメンバーでバンドっぽくなっています。

最近この時期のライブブートが結構出ており、話にしか聴けなかったロッド時代のベックグループの音が実際に聴けます。もう今でも充分通用するすごい演奏です。BBAに通じるところもあって、本当はこの後にBBAになるはずだったのが分かります。You Shook MeのイントロなんかそのまんまLivin' Aloneです。
こんな昔な時代にあんな高度な演奏をしていたなんて頭が下がります???
ただ、他のメンバーがベックについていけないといった感じもしますが。だから、BBAを目指したんでしょうね。

後期のライブには、ピアノのニッキーホプキンスが加わり、特にメロディアスな曲(Natural Woman/ベックオラに入っているミルヴァーレの少女みたいな感じです)なんかではとても美しい世界が広がっています。ドラムもミックウォーラかエインズレーダンパーだと思うんですが、うまいですよね。だいたい、ベックのバンドは凄腕ドラムばっかりですよね。そう、ベックの音楽でドラムは重要です。ボーカルもロッドスチュアートだから、ヘビーなバックでもあそこまで頑張れるって感じですが、それでもあの大音量でしかもボーカルに平気で割り込んでくるトリッキーな演奏で、歌いにくいだろうなあ・・・なんて何か少しかわいそうな気になるのは私だけでしょうか。

この頃、アメリカからやってきたジミヘンドリックスとベックで結構セッションをしたという話があります。そうだとしたらきっとテープもどこかに眠っているでしょう。ジミの音源としてでませんかね。何でもマネージャーのチャスチャンドラーがジミに「クラプトンとベックに会わせてやる」と言ってイギリス行きを説得したそうです。
ジェフベックが、 ストラトキャスターを使い始めたのは、ジミヘンドリックスを見たからだという話もあります。実際、本人もジミヘンのついては初めて見たときの衝撃やその後のつきあいについて話しているインタビューもあります。かなりのショックを受けて音楽を続けていくのを断念しようかと思ったほどだといっています。アメリカツアーの合間にジミヘンをライブに訪ねていって何日か一緒に過ごしたらしいですが、非常に刺激を受けたが毎晩のように夜通し行われる乱痴気騒ぎにはついて行けなかったと言っています。

さて、あるライブでレッドツェッペリンと一緒になり、しかも彼らの方が大受けで嫉妬し、ウッドストックをすっぽかして第一期ベックバンドを解散後、バニラファッジのティムボガード、カーマインアピスとバンドを組む話が進み、一緒にコカコーラのCMソングをやったりしましたが、運悪くベックが瀕死の重傷を負う自動車事故にあって入院してしまい、バンド話は流れてしまいました。事故の原因は、クルマを運転中、道路を横切ろうとした猫か犬を避けようとしてハンドリングをあやまったと伝えられています。う〜ん、性格は悪いが、根は優しい奴なんだなあということですね。実際その頃(今はどうか知りませんが)5〜60匹の犬猫と暮らしていたそうです。

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第二期Jeff Beck Group 

生涯?の友、マックスミドルトンとの出会い。

第一期で自動車事故を起こし、入院生活を余儀なくされ、復活したらえらく黒っぽくなってしまいました。元々黒人音楽が好きなんですよね、この人は。で、活動時期も短く、BBAを断念してとりあえずメンバーを集めた感があるため、ベック史上では何かと「つなぎ」的に位置づけられる第二期ジェフベックグループですが、何を隠そう私はこのバンドが一番好きです。

黒っぽくてハードで、スリリングで。こんなバンドいまだかつてないでしょう。今、やっても充分新しいと思います。話によるとこの時期にベックがモータウンでいろいろとセッションを重ねたテープがあるらしいのです。聴きたい、聴かせろ!ブートでも何でもいいから発売しろ!と私の友人のベックファンの方も言っています。スティビーワンダーとの親交もこの時期後期ではないでしょうか。スティビーのアルバム「Talking Book」のLookin' For Another Pure Loveでメローでトリッキーなソロが聴けます。

この時期の自分のアルバムでも、モータウン系のカバー曲をやっていて、ベックの黒志向が分かります。ライブでもAin't No Sunshineみたいな曲やってます。この時期のサウンドが、もっとファンク色を強め、その後のBlow By Blowのファンクにつながっていきます。ブート「Highways」で聴かれるI've Got have A Songのイントロは、まさにBlow By Blowのセロニアスそのものです。こんな風に後に発表された曲のモチーフとなるパターンが聴けたりするのも、ブートで昔のライブを聴く楽しみの一つです。第一期で書いたYou Shook Meもそうです。

この時期にマックスミドルトンという最良のパートナーと出会ったことも重要です。マックスおっちゃんはベックになくてはならない存在です。マックスおっちゃんから見放されるとベックは何もできません。この時期の楽曲も、クレジットはベックになっていても実はほとんどマックスさんが書いていたらしいです。いい曲書きますマックスさん。

また、故コージーパウエルのドラムもこの時のが一番かっこいいと思います。多分にプロデューサーのスティーブクロッパーのコントロールが入っているのでしょうが、これ以後のコージードラムは、ただぶっ叩いているだけの感じがします。そういえば、昔、コージー氏がマイケルシェンカーグループで来日した時、つのだひろのFM番組の中でベックのことを「あれほどまでに心の底からギターが弾けるギタリストはいない」と評していました。

ちなみにベックオラからこの時期を経てBBAの初期までずっとストラトをメインに弾いているようです。第二期のやつはすべてストラトですね(アンプはたしかSUNだったんじゃないかと思います)。そういう意味でも実験の末、今のベックのベースが固まってきた時期ではないでしょうか。ドンニックスGoing Down(ブリティッシュブルースシーンの渋い存在、チキンシャックもレパートリーにしていました)はその後もよくやっています。ドンニックスのナンバーは、BBAでも「Black cat Moan」(ジョンメイオールもちょっと前のアルバムでカバー)、「Sweet Sweet Surrender」をやっています。オリジナルはもっと土臭い感じです。

そうそう、個人的にはR&BっぽいTonight I'll Be Staying Here With Youも高順位です。また、Charが初期のライブで「空模様のかげんが悪くなる前に」という曲をGrad All Overのようなアレンジでかっこよくやってました。

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Beck Bogart & Appice 

自由奔放、超ハイテク・・・

遅すぎたとか、中途半端とか、何かと批判の多いBBAですが、私は結構好きです。このバンドは複雑な存在で、第一期のハードブルース路線と第二期のファンキー路線の両方を受け継いでいるのです。ブートになっている幻のセカンドアルバムを聴くとファンキー路線がさらに押し進められ、UPP(いわばベックの実験台。かわいそう?)を経てBlow By Blowに至る経緯が分かります。

カーマインアピスは、BBA後もいろいろ活動していますが、ティムボガートはあまり目立った活動をせず今は、ベースの先生をしているそうです。なんかの雑誌のインタビューでなぜミュージシャン活動をしないのかという質問に対し、ジェフベックというとんでもなく素晴らしいギタリストと一緒に活動できたからもう満足したというようなことをこたえていました。ところが、2000年にチャーとのツアーCBAで来日したときには、「あんなやつはただの厄介者だ」みたいな感じで話していましたね。??? 聞くとBBAの後期、ティムとベックは、移動も別にするほど仲が悪かったそうです。

このバンドは、第二期からBBAに移行する過程で、試行錯誤というかベックの自己ちゅーというか、いろんなメンバーを入れたり出したりしながら進化してBBAになった経緯があるので、ブートレッグなどで様々なメンバーのものがでています。
最初はポールロジャースが入る予定もあったらしいですけどね。どうでしょうか、当時はちょっと違うんじゃないかという気もしましたが、今思えば素晴らしかったかも。ベックは後年、ポールのブルースばっかりのアルバムに参加してしっとりドッキリしたベックらしいギターを弾いています。今なら、ポールとベック、ぜひやって欲しい組み合わせです。

BBAは、公式?アルバムとして大阪のライブが出ていますが、ドラムの音質が異常に貧しいのが残念です。マスターからデジタル技術で修復していい音にできないもんでしょうか。
当時1974年頃は、まだ外タレのステージを見る機会が少なかったので、日本のミュージシャンもみんなこぞって見に行ったのですが、あまりにうますぎて何をやっているのか分からなかったというような話を聞いたことがあります。

改めて聴くと本当にうまいですよね。Lose Myself With Youなんか難しい拍子の取り方でどこが頭か分からなくなってしまいますからね。あれだけ3人が自由奔放にやりながらまとまった(まとまってないとも言えますが)演奏ができるというのは。日本のミュージシャンに与えた影響も大きいんじゃないでしょうか。クリエイションのライブなどでも、カーマインアピスのドラムソロそっくりにやってました。

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Blow By Blow〜 
ファンキー、ジェフベック!!!

公式アルバムとしてBBAから次にコレを聴くとエエッと思うくらいに音楽形態が変わっています。いわゆるクロスオーバー(後にフュージョンという言葉にとってかわった)と言われるジャズとロックの融合した音楽のハシリとなったアルバムで、これ以降この手のアルバムがボコボコ生まれました。

コロシアム2でゲイリームーアがやっていたのもこの時期ではないでしょうか。コロシアム2。ゲイリーのギターもハイテクで良かったんですがドラムがスカでした。おしい。そのゲイリームーアは、初のソロアルバムでベック的なインストをやっていてドラムもサイモンフィリップスなので、似ています。このアルバムもおしいかなドラムサウンドがボコボコで落第です。なんであんなことになるんでしょうか。

実は、Blow By Blowを語る上で忘れてはならないバンドがあります。UPPです。イギリスのファンク系バンドで、ベックが1st,2ndアルバムをプロデュースしているんですが、演奏もしており1stなんか完全にベックのバンドみたいです。このバンドにギターがいないのをいいことに(kb,bass,drumの3人)弾きまくっています。で、随所にBlow By Blowのモチーフになったようなフレーズが聴けます。早い話が、実験台です。UPPのメンバー自体は、ドラム(チャーのサイケデリックスのドラマー)もキイボードもとてもファンキーで良いサウンドで、そこにベックのギターがのっかっているので私は結構好きです。トーキングモジュレーターも使いまくっていますし。まあ全体の完成度はあまり高くないかも知れないけど、聴く価値のあるアルバムです。あとブートの「Live Becology」にUPPとともにBBCに出演した「She's A Woman」が入っています。Blow By Blowのはレゲチックですが、こちらのはもっとファンキーでこれもいい感じです。

さて、この時期1975年日本のロックシーンの夜明け的に語られるワールドロックフェスティバルにジェフベックはやってきました。何でもプロデューサーをしていた内田裕也氏が気むずかしい本人に掛け合って説得して来日させたとのことで、裕也氏、グレート!この時のライブを初めて聴いたとき(ブートでですが)、予想以上にベックのギターが唐突だったのでびっくりしました。また、一般的な法則を無視したかのような強引なフレージングなど「それって、アリですか」てな感じで驚きました。一瞬違和感を感じるんですが、それが快感に変わる。ベックのギターの魅力は、そんなところにあるんじゃないかと思います。メンバーがまたファンキーで、なんと今をときめくバーナードパーディ、ウイルバーバスコム、そしてマックスのおっちゃん。ベックにしては軽めのリズム隊でした。この時、ベックはひどい風邪をひいており、とうとう京都公演は中止になってしまいました。そして、あの有名な黒のレスポールも直前のハワイ公演でネックが折れて修理したらしいのですが、そんなアクシデントなんか分からないくらいに素晴らしい演奏です(基本的にはストラトで弾いていてレスポールは1、2曲くらいのようですが)。ブートでいくつかの公演が聴けますが、私は中でも名古屋公演(名古屋市公会堂)のShe's A Womanが最高に好きです。

スタンリークラークなどとのセッションもこの時期です。Journey To Loveの中のJourney To Loveで聴かせるハーモニクスを使ったソロは、オリジナルアルバムでも聴けないベックならではの素晴らしい演奏です。しかし、その次のハロージェフというロックンロール調の曲では、特に特筆すべき演奏は見られません。ライナーノーツにも(書いた人はジャズ畑の人かも知れませんが、なんかベックのことを嫌っているような書き方)「ジェフベックの身の入っていない演奏」みたいなことが書いてありました。ま、言えなくもなくもないかも(^^)

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Wired〜With Jan HammerGroup 
ヤンさん、ナラやん、JAZZ系はやっぱすごいですわ。

ワイアードには、不思議なところがあります。それはB面の2、3曲目。結構長い曲にもかかわらずベックのギターはメロディーとバッキングしかきけません。これがバンドとしてのアルバムだったら分かるのですが、ワイアードはあくまでギタリストとしてのアルバム。なのにギターがメインになっていない曲が延々と入っている。ライブでもこれらの曲、あまりやってませんしね。なぜ、こんな曲がはいっているのか、どなたか教えてください。

この時期はヤンハマーという天才との出会いが重要なポイントです。今でこそ、シンセのピッチベンダーでギター的なフレーズを弾くのは珍しくないことですが、実はヤンさんがハシリです。

Blow By Blowの前くらいからジョンマクラフリンに大きく影響を受け始めたようです(スキャッターブレインなんかモロです)が、ワイヤードではついにメンバーがマハビシュヌオーケストラ関係者ばっかりです。ジョンマクラフリンという人もサラリーマンのようなルックスをもちながらアグレッシブな演奏をするジャズのおじさんです。通称ライブワイヤーの2曲目では、フリケンシーモジュレーターで変な音だしていますが、これもジョンさんの影響でしょう。

この時期、スタンリークラークのアルバムに参加(Rock'n Roll Jerry)した関係からか突然一緒に来日しました。私は、倉敷、大阪2回、名古屋と見ました。このライブは、スタンリーとジェフのスゴイバトル!とよく言われていますが、もちろんそれはそうですが、それよりこの時に聴いたことのない曲をたくさんやったのでそれが良かったですね。「Star Cycle」「Too Much Too Lose」(There And Back)「Hot Rock」「Cat Moves」(コージパウエルのソロ「TILT」に収録)そして、スタンリーの曲などです。それにサイモンフィリップスも初のお目見えでとても良かったです。この縁からか、サイモンはその次のスタンリーのアルバム「Rock Pebbles And Sand」に参加し、ライブアンダーザスカイで来日もしました。田園コロシアムでのライブをFMでやっていましたが、白熱したメチャクチャいい演奏をしています。

サイモンフィリップスは、どの人のアルバムでもいい演奏をしますね。マイケルシェンカーグループの1枚目がかっこいいです。特にA面 最後の曲のイントロは抜群です。そのほか音は悪いですが、ゲイリームーアのソロ。スティーブルカサーのソロ(このアルバムは完全にベックを意識してつくられている)。マイナーなところではゲイリーボイルのアルバムでも微妙な技を聴かせています(このアルバムには確かゲイリームーアも入っていた)。

スタンリーとのツアーはブートがたくさん出ています。名古屋のはあったでしょうか。私が見た中では、名古屋が一番良かったと思います。大阪の追加公演も良かったかな。その後もスタンリーのアルバムにはちょこちょこ顔を出してピリッとした演奏を聴かせています。
そういえばスタンリーとよく一緒にやるレイモンドゴメスというギタリストをご存じでしょうか。めちゃハイテクなのですがベックとフィーリングが酷似していて一瞬ベックか?と思わせます。スタンリーの「Play With Me」ではライブのSchool Days,Quiet After Noon(この曲超好きです)でベックまがいの演奏を聴かせます。ソロアルバムも出ていて(廃盤かも)ナーラダさんのドラムで、独特の目茶かっこいい演奏を聴かせています。必聴!

ジェッフベックは、この頃からだんだんアルバムを出す間隔がのびていきます

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There And Back
インスト時代のまとめに入ったか。
円熟するとともに、これ以後”やることない”期に突入。

WIRED以来、スタンリークラークとのツアーなどを経て、実に5年ぶりくらいにアルバムをだしました。There And Backはそれはそれでまとまりのあるアルバムだと思います。最初はスタンリークラークなんかもレコーディングしていたらしいのですが、最終的には入っていません。この時期、ベックはサイモンフィリップスが気に入っていたようで何かのインタビューで、「初めてサイモンがダブルキックのドラムキットをセットして叩きだしたときにはぶっとんだ」というようなこと言っていました。

スタクラとのツアーからフラッシュ、ミックジャガーのソロのころまでずっとサイモンフィリップスと一緒です。FLASH発表後にキリンビールのイベントでサンタナなんかと来た時にも一緒で、その時にスティーブルカサーがゲストでしたが、その後彼は自分のアルバム「CANDY MAN」でサイモンフィリップスを迎えています。このアルバム、ベックの影響まるだしで変拍子の曲なんかキーボードのアレンジまで「Space Boogie」みたいだ。うまいのはうまいですけどね。

さて、There And Back発表後に同じメンバーで日本にもやってきましたが、Blow By Blow以降、見た中で一番まとまった演奏だったように思います。この時もサイモンフィリップスが抜群でした。ベックの起伏の激しいギターに呼応したり、リードしたりする緊張感が素晴らしく、何かもう違う次元で音楽やっている気がしましたね。

この頃のギターの音はよりクリアになってきたような気がします。アルバムも頭の曲のせいかスペーシーなイメージです。ステージも星がまたたいているような感じにしてありました。今から思えば、ジェフベックは一緒にやる人によって音楽が変わるというマックスミドルトンの証言どおり、サイモンフィリップスやトニーハイマスのカラーがよく出たアルバムで、El Becoのイントロなんかちょっと異質なイメージです。Space Boogieもサイモンフリップスの曲らしく、ライブでもテーマのところなんかベックはついていくのが必死というような感じでした。この後、またまた次のアルバムまでに時間があきます。

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Flash
ノラクラしている間にケツ叩かれてヘマこいた。

久しぶりのアルバムは、プロデューサーがナイルロジャースで、ほぉ〜という感じであり、前回のアルバムでひとくぎりついているだけに、どんなのかなと期待も膨らむだけ膨らませていました。
しかし、 初めて聴いたとき、アレアレアレアレ?ってなってしまいましたね、コレ。当代きってのプロデューサーは分かりますが、どうしてジェフベックが彼のプロデュースでやらなければいけないのかというのは、単に商業的な事情だけだったのだという感じです。

元来ジェフベックの音楽は、ベックのギターが一番かっこよく聴こえる状況づくりが最優先であって、音楽のスタイルが最優先されてはいけないのです。だからギターソロになると抑揚もなしにただ全開で弾きまくるしかない曲の多いこと。ベックのギターの良さは、独特の間と抑揚なのだから、それが展開できる空間をつくってあげなければいけないのだ。このアルバムの半分以上の曲は、ベックのギターが鳴ってなければ、ほかの人の曲にもなりえてしまうもの。それじゃぁだめですよね。ベックのギターが鳴っていなくてもジェフベックでないとだめなのです。

ということでこの頃は、ベック本人も本当はあまりアルバムをつくりたくなかったじゃないかと思います。でも契約やなんかでどうしてもやらざるを得ず、安易に不本意(だろうと思います)なアルバムをやってしまったということではないでしょうか。
ただし、この中でもベックならではの曲は3曲ほどあり、その中の1曲は、久々のロッドスチュアートとの共演「People Get ready」だったりするので、まんざら捨てたものでもありません。


Guitar Shop
アルバムの内容は良いものの、長い沈黙の時期に入る。

Falsh以降、人のアルバムにセッションで入ったりしながら、隠居を続けていたんですが、この間は、ミックジャガーのアルバムに参加するという珍しいことをやってのけています。しかし、実は珍しいことではなく、ストーンズからミックテイラーが抜けたとき、後がまとしてジェフベックもセッションをしているのです。この模様は、ブートレグででていますが、どこでベックが弾いているのか全く分からないクワセモノです(金返せ!)。で、ベック曰く「あまりにも退屈なセッションだったので途中で帰ってきた」そうです。

しかし、ミックのソロアルバム「She's A Boss」の演奏は、もはやインスト化したオリジナルアルバムに対して、歌バンとして聴きごたえのある演奏です。メンバーもサイモンフィリップス他ベックバンドの人たちで、ベックバンドwith ミックとでも言えそうな編成です(楽曲は完全にミックですが)。

この頃、ミックのツアーがあり2〜3回ほどはベックも同行したらしいのですが、ミックやストーンズの曲ばっかり演奏するのはイヤだっていうんでリタイア。来日にはもちろんやってきませんでした。替わりのギターは確か、ジョー・サリトリアーニだったんじゃないでしょうか。しかし、ドラムはサイモンフィリップスだったのでうれしかったですね。あの人はホントに楽しそうにドラムをたたく。

さて、そんなことを経ながら、またしばらくたってから出た「Guitar Shop」。このアルバムは、前回の雪辱を晴らすかのように素晴らしい出来です。ドラムがミックのプロモビデオ撮影で知り合ったテリーボジオ。このテリーボジオがこの後しばらくベックの演奏をささえることになります。

しかし、90年代にはいるとダンス系グルーブ系の音楽が台頭し、ギターミュージック は横の方に追いやられていきました。ジェフベックもこれ以降、たまのセッション録音以外に目立った活動がなく、長い沈黙に入ります


Who else!(1999年)
なんと10年ぶりにニューアルバム「Who Else!」を発表し、5〜6月にかけて来日公演が行われました。珍しく記者会見なども行い、マスコミもこぞって取り上げ(新聞やアエラまで)しばしベック旋風が吹き荒れました。ライブは、なんとNHK-BSでも放送され、久々にベックファンは狂喜の日々を過ごしました。Who Else!は、私の気持ちとは裏腹に好評だったようで、グラミー賞にもノミネートされていました。

You Had It Coming(2000年)
前作から1年と9カ月というジェフベックにしては驚くべき早さで11月15日ニューアルバム「You Had It Coming」をリリース。前作とは異なり、ベックの本質がでたカッコいい音ではありますが、リズムも加工もデジタル。エンジニアとベックと2人だけでつくったようなアルバムで、ベック本来の突拍子もない良さはあまり感じられません。12月の来日公演も、前回と同じような感じでいまひとつ。
ただ、この時はテレビ朝日のニュースステーションにゲスト出演するという前代未聞のできごともありました。また、音楽誌はもちろん、webからはては週刊プレイボーイで「ギター人生相談」までインタビューがたくさんでるなど、宣伝に力を入れてアルバムを売ろうという意欲が見えました。

Jeff(2003年)
3年ぶりにニューアルバム。打ち込み系の第3弾ですが、バリエーションが広がりました。集大成のような位置づけだという感じです。本人も「こういった録音方式はこれで最後にしたい」と言っておりました。

ニューアルバムを発売してすぐにB.B.King とジョイントツアーのような形で全米ツアーが行われましたが、そのメンバーはテリーボジオ、トニーハイマスというかつてのギターショップトリオ。しかも、演奏曲目はほとんど過去の曲からで、ニューアルバムのJEFFから申し訳程度に3,4曲だけでした。ニューアルバムは発売直後なのに。この流れでもジェフベックのこのアルバムに対する思い入れのなさが伺えます(^^)。
このツアーの1回公演がオフィシャルブートという形で、エピックからインターネットだけで販売されています。このCDの内容が素晴らしい。10年ぶりに復活してからはずっとデジタルなフォーマットの上にギターをのせているような音楽スタイルでやっていましたが、このライブは完全にアナログ。ジェフベックならではのやんちゃな演奏がふんだんに詰まっており、私的にはこのCDで13年ぶりに復活といった思いがあります。

この翌年には、誕生日にひっかけてロンドンでライブをしていますが、このメンバーがまたヤンハマーという懐かしのメンバーに加え、ゲストでロンウッドが登場しました。曲目もほとんど昔のものばかり。
その年末にはロッド、ロンウッド、ジェフベックで第一期ジェフベック再結成という話がでてきて、ロッドのインタビューによればかなりリハーサルも繰り返してさあ本番となったところでジェフベックが「オレ、やめた」となったらしいです。ロッド曰く「みんなの時間を無駄にしてくれたよ、まったく。あんなやつとはつきあいきれない」

2005.3.26加筆