Theloniusの源泉

 ブローバイブローのB面「哀しみの恋人たち」が終わってしみじみした気持ちに浸っていると軽快なドラムがファンキーなクラビネットを伴いTheloniusが始まります。
 この曲は、当時のファンクの典型的なかっこいいパターンを持っており、トーキングモジュレーターや初出のオクターバーなどエフェクターも多彩なのですが、ジェフベックのソロらしいソロもなく、次のフリーウェイジャムへのつなぎに聞こえてしまいそうな曲でもあります。
 この曲の特徴的なところは、最後のチャーチャーチャーチャーチャ、チャチャチャチャッというヤツです。個人的には、非常に好きです。
 ライブではブローバイブローツアーの頃に演奏していましたが、オクターバーでワイルドに演奏されるものの、トーキングモジュレーターも使われず、ソロらしいソロもなく、やはり付け足しのような演奏で次の曲へつながれていました。 そういうちょっと不憫な曲ですが、第二期の演奏に源泉があります。これが結構いいのですが、ブローバイブローをつくるときにいろいろ工夫してやってみて結局うまく仕上がらなかったのかも知れませんね。そういった曲はほかにもあるようで、ブローバイブローのアウトテイク集(といっても大手を振って出ているのではなくブートレグ)では、レゲ風のとかいろいろ結局実にならなかった曲が聴けます。「分かってくれるかい」も最初はもっとチョパーベースとかが入ったマシンガンのようなノリになっていました。そんなこんなで第二期にアイデアが芽生えたTheloniusですが、いまひとつパッとしないまま散ってしまったという感じでしょうか(と私が思っているだけかも)。
 
■第二期ジェフベックグループ「Highways(bootleg)」より(2.4M/mp3)

 このブートレグは別のページでも書いていますが、ダマシが入っています。私のFavorite超上位のHighwaysのライブが聴けるというので喜び勇んで買ったのですが、Highwaysとクレジットされている曲は、実はI've got have a songだったのです。大うそつき。まあ、それも好きだし珍しいからいいけど・・・。HighwaysとI've got have a song、この2つの曲はブートレグでも他に聴けないか珍しいかです。
 で、そのI've got have a songの前にFanky Jamという短いインストルメンタルを演奏していまして、それがまさにTheloniusの原型なのです。前半は、BBAの頃にやっていたLose myself with youのイントロのパターンです。
 とにかくやたらファンキーな曲で、私はBlow by blowがリリースされて初めて聴いたときに、「めっちゃファンキーになったやんか」と思ったのでしたが、これを聴くと実は第二期から十分にファンキーだったことが分かります。
 しかし、ファンキーですがあくまでワイルド。そこがジェフベックの魅力です。第二期やブローバイブローの頃にはこういった実験的なインストがちょくちょく演奏されていてブートレグをきくたびにワクワクさせてくれます。

 
■「Blow by Blow」よりThelonius(1.1M/mp3)

 途中からですが、上のアイデアがこうなりました。当時オクターバーはまだ珍しいエフェクターでした。ここでは低音だけしか使っていませんがライブでは実音と低音を両方出していました。
 当時の雑誌で機材の紹介をしていましたが、オクターバーはカラーサウンド(最近復刻版が出ている?)のオクティバイダーという製品で、エンジニアにより実音とエフェクト音を切ったり混ぜたりできるスイッチがつけられていました。 これを見た直後、楽器店の掘り出し物市で安く売られていて、即買ったのは言うまでもありません。これがサイズが妙にでかく、非常に外国を感じたものでした。国産のは当時からコンパクトでしたからね。カラーサウンドのは国産の3倍くらいあります。その分中身はスカスカです。この大きさは使い勝手を考えているんでしょうね。
 と、余談ばかりになりましたが、この曲、このちょっとだけ聴いても結構かっこいいじゃないですかねえ。リチャードベイリーのドラムもフラムが効いて本当に味のある演奏です。