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VERY SUPERSTITION

VERY SUPERSTITION
Beck,Bogert&Appice

DISC-1
1)Superstition 2)Livin’ Alone 3)I’m So Proud 4)Lady 5)Morning Dew-Drum Solo 6)Sweet Sweet Surrender

DISC-2
1)Lose Myself With You-Bass solo
2)Black Cat Moon-Blues De Luxe-You Shook Me-Black Cat Moon 3)Why Should I Care 4)Plynth-Shotgun (Jeff’s Boogie ) 5)Oleo-Boogie

Detroit 4,8,1973

ジェフベックには、やはり歌バンをやってほしい。

BBA 中期、日本公演の約1カ月前のライブ。曲目構成が日本公演と似ています。この時期のブートは、日本公演のもの以外、あまりなかったと思います。BBAでも初期(アルバムレコーディング以前:1972年)は、第二期の延長的な色彩が強く、演奏もちょっと粗め、ギターもストラトです。中期(1stアルバムレコーディング後:1973年)は、BBAとしてのスタイルが固まってきた頃で、ギターが黒のレスポールに変わり、一番安定しかつ抑揚のある演奏が聴けます。後期では、新曲(2ndアルバム用?)や実験的な演奏が多くなり、パワーは凄いですが抑揚に欠ける部分もあり、また、パワーの裏側にそろそろ煮詰まりかけたストレスも感じられたりします。ですから、この中期の頃が一番聴き頃と言えるかも知れません。ま、私にとっては、いつでも聴き頃なんですが・・・。

このCDの、I’m So Proud、Sweet Sweet Surrender 、Lose Myself With Youなどは、今まで日本公演のもの以外では聴けなかったと思います。で、内容はというと、本当に、素晴らしい。どうしてこんなに表情豊かに演奏できるのか不思議なくらいです。この頃のベックは、乗りにのっているという感じで、ありとあらゆる技を使って弾きまくっています。

歌の合間などにちょこっと 入るフレーズや独特のバッキングなど、普通では想像もつかないことをします。これらは、歌があってこそ引き立つもので、インストものでは味わえない世界があります。それにカーマインのドラムがド迫力。やっぱりすごいですね、この人のドラムは。ベックもトーキングモジュレーターなども駆使しており、盛りだくさんです。トータルな音で聴こえるので、ライブインジャパンよりはるかにグルーヴがあります。

オーディエンス録音ですが、各楽器の音がはっきりと聴こえます。特にベックのギターが実にクリアに聴けるので大満足です。

オープニングの1)Superstition は、いつも通りトーキングモジュレーターのおかしな音で始まります。この人は、こういう小道具を本当にうまくユニークに使います。ソロではBBAでは珍しくエコーで広がりのある音で弾いています。2)Livin’ Alone は、ブレイクのスネアロールにワウワウがかかってカッコイイ。でイントロのギターのリフに微妙にビブラートかけているのが、メチャカッコイイ。こういう小技が本当にうまい!そして聴きどころのひとつが3)I’m So Proud 。歌のバックのオブリガードがカワイイ。そしてこのソロがすごいです。特に最後の方、もう、どうしてこんなにユニークでかっこいいのか、うれしくて涙が出そう。普通のバラードもベックにかかると、ここまでかっこよくなる例です。この曲が終わったら、感動で全身の力がぬけてしまったような気がします。4)Ladyは、どのブートを聴いてもさほどの変化はありません。もともと複雑で見せ場だらけの曲だからかも知れません。細かいリズムにたたみかけるようなギターが絶妙です。 5)Morning Dew-Drum Soloは、カーマインアピスのワウワウウやエコーを駆使したユニークで迫力あるドラムソロが良く聴こえます(ちなみに正しい発音は、カーマイナピシーって感じみたいです)。 6)Sweet Sweet Surrender も聴きどころです。やっぱり歌のバックでのオブリガードがいい。カーマインのドラムとのコンビネーションも抜群です。ソロは、スタジオ盤に近いイメージで始まりますが、だんだん変わってきて、微妙な音程とこぶしの利いた絶妙のフレージング。この人は、本当に微妙なニュアンスをうまく出します。また、概してベタベタしそうなこの手の曲のリズムをカーマインアピスのドラムが実に軽快でいいノリにしています。

Disc-2(音のフェイズがちょっと不安定な感じ)では、1)Lose Myself With Youは、全体のグルーヴが抜群です。-Bass soloは、ドラムとのコンビネーションがカッコイイ。これドラムサウンドがちゃんと聴こえるからです。再び面白いかけあいのトーキングモジュレーターで始まる 2)Black Cat Moonはベックのボーカルもよく聴こえます。-Blues De Luxe-You Shook Meに移るところのトーキングは抜群。ソロもベックならではのブルースであってブルースでないような独特のソロ。そして、I ain’t spersutitiousで始まる3)Why Should I Careで客は大喜び。それにしても、ライブインジャパンよりドラムが数倍カッコイイ。 4)Plynth-Shotgunでは、どういうワケか、ちょっとビートルズのフレーズも飛び出しています。続くラストのJeff’s Boogie は、ちょっと短め。この曲でラストというのも珍しい。5)Oleo-Boogieは、急に音が悪くなり聴きづらい。それに突然切れます。私もキレそう!?

ボーカルやコーラスなども含め全体のバランスが良いので、BBAのグルーヴが良く伝わってきます。音質的にははるかに良いライブインジャパンより、BBAのすごさが良く分かります。本当にライブインジャパンは、音のバランスをちゃんとした盤を出して欲しい。

1999.6.20